ひばりの朝 1巻:男性にとってはちょっとしたホラーかも

2013/07/08Comic 漫画, 祥伝社

ひばりの朝 1
ヤマシタ トモコ
ひばりの朝 1

ヤマシタトモコ、フィールヤングからの単行本。氏の作品は最近では『BUTTER!!!』しか読んでいないので…さて。

手島日波里、14歳。
同い年の子どもより、肉感的な身体つき。
彼女を知れば、
男はたいがい性的な感情を抱き、
女はたいがい悪意の弾をこめる。

彼女に劣情を抱いている男や、
片思いをしている少年、劣等感を抱く女、
そして彼女をおとしめたい少女が、
ひっそりと、かつエゴイスティックに語りだす。
(オビ表4アオリより)


中学2年生の女子・ひばりと、彼女を取り巻く人々の思惑が交錯する、リアルにありそうな現代劇。改変された記憶かもしれないけど、自分の中高時代にもひばりみたいな女子が1人くらいいたような気がする。

物語の構成としては、ひばりと関わりのある人物、そしてひばり自身が各話ごとに主人公になって話を回していく連作形式。『ミラーボール・フラッシング・マジック』もそうだったけど、こういう構成は氏の得意とするところなのだろうか。

物語の見どころとしてはやはり、ひばりの無自覚さ・無防備さからくる周囲の反応が面白い。露出度高いビジュアルもシーンもほとんどないのにそういうキャラに見えてくるのは、「周囲の人々がそう認識しているから」なのが読者にも理解できるからなんだよな。もちろん氏の画力もそれを後押ししているわけだけだが。

自分の年齢・性別的には完ちゃんや憲人の視点に比較的同調しやすいのだけど、こうも見事に男性心理を描き切られると、こっちの考えてることって女性には筒抜けなのかと恐ろしくすらなる。ちょっとしたホラー感覚。

そして複数の登場人物の中では、talk.6の辻先生の存在が凄く効いていると思う。彼女の視点がひばりを単純に“魔性の女”になることを押しとどめているというか、ひばりに安易に逃げ場を与えないようにしていると思う。んー、実に容赦がない。

ということで2巻に続くけど、ひばりが他人の目に自覚的になるかどうかが今後の重要なカギになりそう。今の連載ペースがどんなものかわからないけど、これは完結まで見届けたい作品だ。

しかし、本作に限らずだけど、ヤマシタトモコ作品のキャラはどこかしら心が荒んでいるというか、みんな心が渇いてる感じがするのがいいよな…。



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