きれいなあのこ:6人組アイドルグループの舞台裏を描いた青春群像劇

2014/01/10Comic 漫画, 新書館

きれいなあのこ (ひらり、コミックス)
吉田丸 悠
きれいなあのこ

雨隠ギド氏の『終電にはかえします』と同日発売&並べて置いてあって当初から気になっていた一冊。電子書籍化の目があるかと思って待っていたけど、まるで気配がないのであきらめて購入。

さて、カバーイラストとオビの文句が目を引く本作、その内容はJK&JCからなる6人組アイドルグループ「平成絶対領域委員会」、通称「絶会」のメンバーそれぞれの物語を描いた5編+単行本描き下ろし2編からなる青春群像劇である。掲載誌が『ひらり』ということもあって百合要素も少なからずあるけど、きわめてライトなので特に気にせず読めるはず。

作者の吉田丸悠氏はこれが初単行本とのこと。本作以前の漫画家歴は調べていないので不明だけど、初単行本ということはまだ新人クラスなのだろう(カバー表4の紹介文でも“新鋭”と謳われている)。

登場人物はアイドルグループ所属ではあるものの、お話は主にアイドル活動の舞台裏、各キャラの日常がメイン。アイドルとしての描写はほとんどないけれども、もともとアイドルという設定は各キャラのエピソードを繋ぐための横串としての役目を果たしているだけなので問題なし。逆にアイドルという非日常的な設定を背負うことで、各キャラの日常劇が際立って見えるという。

各編の中ではやはり一作目にして表題にもなっている『きれいなあのこ』が特に印象に残る。あとは『ミニスカートよさようなら』も個人的にはグッとくるものがあった。

そして各キャラの短編5編のあとには2編の単行本描き下ろし。この2編がアイドルグループという設定と並ぶもう1つの横串となって、全体として単行本の体を成すという構成になっている。というか、この2本があって初めて本作はひとつの作品として成立するので、連載だけしか読んでいない人はなんとも中途半端な印象を受けてしまう気がする。

といったところで全体としてみると画力や構成に新人らしき粗さは見て取れるものの、初単行本としてはかなりクオリティが高いと思う。魅力的なキャラクターを作れることは本作で十分証明できているし、これは次回作にも期待せざるを得ない。掲載誌が変わらないなら次回作もまた百合ものになるのかしらん。個人的には望むところだけども。




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