凪を探して:猫をフックにした大人の短編集

2014/05/24Comic 漫画, 徳間書店

凪を探して (リュウコミックス)
脇田 茜
凪を探して

カバーイラストの雰囲気と「猫」のキーワードに惹かれて購入。

もう一度、あの猫(こ)に会いたい――…

いなくなってしまった猫
昔飼っていた猫
島での猫探し……

愛しい「猫」を通して
5人の女性の心の機微を
優しく丁寧に描き出す
珠玉のオムニバス短編集
(オビ表4側・作品紹介より)


本作は上に引用した作品紹介にもあるとおり、「猫」をフックにした5編の短編作品集。作者の脇田茜氏はこれが初単行本となる新人さんだとか。

『凪を探して』SS01

さて本作、書名の副題にもなっている“『猫がいない』短編集”のとおり、作中の登場人物と同じ時&場所には猫が登場しない(例外っぽい短編も一編あるけど)。

しかしどの短編も「猫」が物語上重要な役割を果たしているし、作中で描かれる猫エピソードはどれも実際に猫を飼ったことがある人なら「わかるわー」という内容で、やたら猫推しのカバー謳い文句はけっして間違いでない。

5編の短編中、猫寄りのエピソードとしては「ネコのヒトミ」が、人物寄りのエピソードとしては「紬の一例」「空の青、雲の澪」が個人的にはお気に入り。

オビがないと一見猫漫画なのかそうでないのかがわかりにくいのが難点だけど、本書は間違いなく猫好きにオススメの一冊。作者は新人ゆえにまだ画力は粗さがあるけれども、ストーリーテリング能力はこの5つの短編で十分証明されていると思う。今作の作風からするとややファンタジー要素のある物語が得意分野なのかしらん? とにかく早く次回作を読みたいなぁ。

蛇足ながら本書の巻末、「あとがきにかえて」のコーナーがすごく好き。各短編のエピローグになっているだけでなく、言葉じゃなくて絵で“語って”いるところが。




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