トンネル抜けたら三宅坂 1巻:PTAに目を付けられないことを祈りたい

Comic 漫画, 小学館

トンネル抜けたら三宅坂 1 (ビッグコミックス)
月子
トンネル抜けたら三宅坂 1

『彼女とカメラと彼女の季節』の月子氏最新巻。先月の『つるつるとザラザラの間』はスルーしたけどこちらは購入。

作品内容についてはこちらのレビューに詳しいが、かつて存在したエニックスのいわゆる“3号雑誌”(実際には5号まで出たそうだけど)に連載されていた作品のリブート版である。

そしてそのリブートにあたって新たに作画担当になったのが月子氏。なんでこの作品を月子氏が、とも思ったけど、コミックナタリーのインタビューを読むと、意外な繋がりがあっての作画担当ということらしい。

さて今回のリブート版、なによりまずオビの「一般小学5年生の10倍の性欲を持つ男―登場!」のアオリが秀逸。「10倍の性欲」という表現が少年マンガの子供だましっぽいフレーズでいい。30倍界王拳、みたいな。このフレーズ自体はオリジナル版(2000年)からあったということで、そう言われてみれば21世紀初頭っぽい感じがしないでもない。

本編はそのアオリにたがうことなく、小学5年生男子・三宅坂登(みやけざか・のぼる)が小学生らしからぬ変態行為をひたすら繰り返していくだけのギャグ漫画。それを月子氏の整った絵柄でやるわけだから、そのミスマッチ感でさらに変態感が増すという。しかも女性キャラはオリジナルより色気が増しているので、エロコメとしてもハイクオリティである。

構成に関しては記憶がおぼろげだけど、月子氏のtwitterによれば3話までが原作のまんま焼き直しで、4話からがオリジナル展開とかそんな感じらしい。大人向けの下ネタも全面解禁なのはオリジナル継承なのに加え、掲載誌がビッグコミックスペリオールってのも大きいんだろうなぁ。

ということで、今どきらしからぬストレートなお下品さと月子氏の絵があいまって、ひときわ異彩を放つ作品。馬鹿馬鹿しい内容なうえに、ストーリーらしいストーリーもないから気軽に読めるのも◎。どう考えても好事家向けだけど個人的にはとても気に入った。今後のさらなる暴走を期待しつつ、ゆるくフォローしていきたい。

蛇足ながら、1話から3話の柱にある原作者(森高夕次)と劇画家(月子)の掛け合いが地味に面白い。仲のいい師弟だなぁ、微笑ましい。





PAGE TOP