[映画] 『ひるね姫』:解きほぐせばシンプルなお話だが…

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日曜日に鑑賞。映画館も久しぶりだ…。


事前に試写会で観ていた同僚たちが軒並み「うーん…微妙かも」という評価を下していたので正直心配ではあったのだけど、実際に観てみたらそんなには悪くなかった。

ストーリーの骨子は大変シンプルで、「大手自動車メーカー内での権力争いに絡んで、会長の亡き娘が遺した自動運転プログラムのオリジナルコードをめぐる騒動が勃発した」というもの。

ただそれだけではドラマとして、なによりエンタメとしてパンチに欠けるということで、そこに「夢と現実の交錯」というファンタジー要素と、ささやかなSF&ロボ要素を加え、ある意味神山健治らしからぬ「家族愛」の味付けで調理したらこうなったと。

加えて、作画・動画・演出・音楽・キャストの演技と、すべての面でクオリティが高く、トータルパッケージとしては間違いなく及第点以上だと思う。

…が、夢と現実をこよりのように編み込んだ構成のせいで、ストーリーの進行を理解するのにひと手間かかってしまうのが難点である。録画で見返せるTVアニメならいざ知らず、劇場版の場合はやはり一回観ただけでわかるシンプルなストーリーが重要な要件だと思う。誰もが2回以上劇場に足を運ぶわけではないし、ましてや円盤を買う人はもっと少ないだろうし。

そんなわけで手放しでは褒めにくい本作だけど、エンディングで流れる『デイ・ドリーム・ビリーバー』を聴くと細かいことはどうでもよくなって、「傑作かも」と思えてくるから不思議。音楽の力は本当に偉大である。ただ、あの自動運転で走っていく車があの後…と思うとちょっと切なくもなる。

蛇足ながらアニオタ的な視点からすると、磯光雄が原画で参加しているというだけでもう心が躍る。やはりエンジンヘッドが飛び立つシーンあたりを担当しているのかしらん? そのエンジンヘッドが宇宙へ飛び立つシーン、個人的にはどうしても『ロボジョックス』のマツモト14号を連想しちゃうんだよなぁ。宇宙に出て特に何もせず、また地球に落ちてくるだけというあたりも含めて。

あとは下村陽子の音楽もよかった。ゲームサウンド畑の氏らしい楽曲は控えめすぎず、主張しすぎずで映像にマッチしていたと思う。ちなみに下村陽子アレンジの『デイ・ドリーム・ビリーバー』はワーナーブラザースの公式YouTubeチャンネルでフルバージョンが公開中。おそらく期間限定だと思うので、これだけでもぜひ。高畑充希の歌声も本当に素晴らしい…。








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