[映画] 『機動戦士ガンダムUC ep.7』:MX4D版の実力のほどは?

2016/06/12Movie 映画, アニメ


TOHOシネマズ新宿にてMX4D版を鑑賞。MX4D版は先月の東京国際映画祭(TIFF)で1回だけ上映されたのだけど、そのときはさすがにチケット瞬殺。今回晴れて全国公開になったので(といっても設備のある10館だけだけど)、MX4D体験も兼ねて観に行ってみたしだい。

MX4Dってなんぞ?

MX4Dとは、映画のシーンに合わせてシートが動いたり、振動・風・香り・ストロボなどの特殊効果を加えた上映システムのこと。

TOHOシネマズ系列ではシステムを提供しているのがMediaMotion社なので「MX4D」だけど、コロナシネマワールドやユナイテッド・シネマ系列では韓国のCJ 4DPLEX社のシステムを採用しているので「4DX」と呼ばれている。両者は特殊効果の種類や数に違いはあるものの、ほぼ同一のものと言えるだろう。

MX4Dの良いところ・悪いところ

今回の『ガンダムUC』ep.7の上映で感じたところを。

○良いところ

・座り心地がいい

シートにいろんな機構を仕込んでいるせいか、座席そのものががっしりしており、そのぶん座り心地もいい。あくまで通常の座席に比べて、だけれども。

・臨場感が出る

例えば宇宙にいるシーンでは座席がゆっくりと揺れたりして、浮遊感を感じることができた。

○悪いところ

・高い

TOHOシネマズ新宿の場合、MX4D上映の追加料金は1200円。今回の場合映画鑑賞料が1600円なので、合計2800円。レイトショーなら2本観られるお値段だ。実際、好立地のTOHOシネマズ新宿、かつガンダムという固定ファンが強い作品ですら予約状況は芳しくない。やはり値段によるハードルが相当高いのだろう。

・演出がハマらないことがある

4Dの特殊効果の1つに風(風圧)があるのだけど、宇宙のシーンでこれをやられたので違和感があった。また、違和感ではないのだけど、水しぶき(しかも正面から)の演出はメガネ人には辛い。これはメイクをする女性にも当てはまりそう。

・4D演出でかえって自分の立ち位置がわからなくなる

例えばモビルスーツ戦のシーンなんかでは、敵味方・主役脇役関係なく振動の演出があるのだけど、これのせいで観客たる自分の立ち位置がわからなくなる。さっきまでバナージに感情移入してユニコーンのコクピットにいる気分だったのに、直後にリディが乗るバンシィのダメージが振動として伝わってきたりとか。実際のところ観客は“神の視点”から物語を見ているわけだけど、体感が伴うことでそのポジションが揺らいでしまうという弊害も。

結局のところMX4Dってどうなの?

1回なら体験してもいいけど2度目はないな、というのが率直な評価。

やはり最大のネックはお値段で、加えて上で触れた「映像全体に対して4D演出を付ける箇所が十分にあるか」「4D演出は映像にマッチしているか」によってお値段に対する評価がさらに上下するリスクもある。さらに言うなら上映館が少ないことによる情報(感想)の仕入れにくさも懸念材料になるだろう。

結局のところ、MX4D(4DX)の効果を最大限引き出すには、3D作品がそうであるように「最初から4D上映を前提とした画作り」をするしかないんだよなぁ。

そして4D演出がもっとも効果的なのはおそらくホラーなんだけど、4D上映で製作費を回収できるほどメジャーなホラー作品が出るとも思えないわけで、せいぜい過去作品に4D演出を付けた「4Dリバイバル版」を作るくらいがせいぜいなんじゃないかなぁと。

映画業界がこの4Dシステムにどれくらい期待しているのかはわからないけれども、このままでは業績回復の救世主にはならないだろう。

Episode 7の感想

いちおう作品の感想も。

1年以上前の作品なので感想は今さらだけど、本シリーズの最大の魅力であるモビルスーツ映像の格好良さは健在だった。一方でそれ以外はいつものUC系ガンダムだったなぁと。「ロボットSFものを見ていたつもりが最後にはなぜかファンタジーになっている」ところとか。

とはいえ、本シリーズはUC(宇宙世紀)シリーズの総括的な作品ということもあってか、ファースト世代に刺さる演出や映像もかなり多めに入っていたうえ、今回のエピソード7(最終話)は未見だったこともあり、個人的には十分に楽しめたし2800円だしてわざわざ劇場まで足を運ぶだけの価値はあったと思っている。





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