[映画] 『風立ちぬ』:手間ひまのかかった地味作品

2014/03/02Movie 映画, アニメ

初日にレイトショーで鑑賞。レイトショーとはいえ初日だし、ジブリ作品かつ宮崎駿監督ということもあって興行成績はかなりいいっぽい。実際自分も座席予約は木曜日に入れたけど、翌日には満席だったしなぁ。

本作は堀辰雄の『風立ちぬ』『菜穂子』をベースに、零戦の設計者・堀越二郎の半生を乗っけたハイブリッドストーリーである。残念ながら自分はどちらの小説も読んでいないし、堀越二郎のことも知らなかったので、この点に関しては上手いこと組み合わせたな、くらいの感想しかないけども。

さて、気になる内容はというと…とても地味。

実在の人物をモデルにしていたり、昭和文学を下敷きにしている影響も大きいのだろうけど、アニメーション映画的にわかりやすいクライマックスがない。人間ドラマ・恋愛ドラマとしてはきれいにまとまっていると思うのだけど、逆にきれいなところだけを意図的に切り出している感じで深みは感じなかった。

…のだけど、その地味な内容をいつものジブリクオリティで丁寧にコーティングしているので、なんだかんだで感動したし、観終わった直後は満足感もある。とはいえ、こうして感想を書いている今はもうその感動も薄れて、残念ながらブルーレイ購入にまでは至りそうにない。

そして公開前からの注目ポイント、声優・庵野秀明の演技はどうだったかというと…たしかに上手くはなかったと思う。でも、声自体はとてもいいし、ところどころハマるシーンもあったりで、少なくとも「演技のせいで最後まで作品に集中できなかった」ということはなかった。ただ、今回は他の役者が皆上手すぎ&ハマりすぎていたこともあり、技量の差がより際立ってしまったのは残念というか酷だったかもしれない。

そんなわけで、諸手を挙げて大絶賛ということにはならなかったけど、2年に一度のイベントと思えばたとえフルプライスでも観ておいて損はないと思う。

ちなみに堀辰雄の『風立ちぬ』『菜穂子』はどちらも青空文庫入りしているので、この映画をきっかけに読んでみるのも一興かも。自分もとりあえずデータは落としたので、いずれ読むことがあるかもしれない。

余談だけど、ここ数年の宮崎駿の庵野氏に対する優遇っぷりというか寵愛っぷりは、やはり氏に自分の後継者になって欲しいという希望の現われなのかしらね。もしいつか庵野監督がジブリの看板を背負って作品を手がけることがあったら、ぜひ『風の谷のナウシカ』原作準拠版をTVシリーズで…。




PAGE TOP