[映画] 『君の名は。』:新海誠と東宝が組んだ結果…

2016/09/03Movie 映画, アニメ


新海誠監督の最新作、昨日8月26日から全国公開。


自分は例によって試写、それも7月中に鑑賞済みだったのだけど、観終っての最初の感想は「新海誠も大メジャーと組むとやっぱりこうなるんだなぁ」ということだった。

新海作品と言えば若い男女の出会いと別離がセットになった「切なさ」がベースにあったと思うのだけど、本作はそうではない。要するにハッピーエンドだ。これは107分という尺に対する対価であり、そして東宝という大メジャーによる配給作品であるということも無関係ではないだろう。

もちろんハッピーエンドであることに問題はないのだけど、新海作品ファンとしては観終わった後の切ない感じとかもやもやした余韻を味わいたかったので、そこだけはやや期待とは違っていたかなと。新海原理主義者はこのあたりを声高に主張してくるかもしれない。

ストーリーに関しては過去作と比べて全体的に明るめのトーンで、最後まで観ていて疲れることはなかった。ただ、重要なギミックである瀧と三葉の入れ替わりについてはネタバレ前にもう一つのトリックに気づいてしまったので、ちょっともったいない気分ではある。

映像に関してはいつもの新海クオリティで文句なし。というか、新海作品の映像クオリティ(とりわけ空、雲、光の美麗さ)って他に追随する作品がなかなか出てこないけど、よほど他のクリエイターと違う作り方をしているのだろうか。今作では多数のスタッフが制作に関わっているので、これをきっかけにいい意味での技術流出が起こることを期待したい。

音楽に関しては…個人的にRADWIMPSの曲にはなじみがないこともあり、挿入歌、劇伴含めさほど語ることはない(RADは今作で劇伴も担当している)。このへんはRAD好きな人の感想を聞いてみたいところだ。

キャストに関しては声優が本業でない人も含め特に違和感はなかったけど、そのぶん強い印象も残っていない。あえて言うなら四葉役の谷花音くらいかなぁ。逆に本業の人たち(悠木碧、島崎信長、石川界人)はふだんよりアニメっぽさを抑えた演技をしているように感じた。

一方で今作はキャラクターデザイン・田中将賀、作画監督・安藤雅司のコンビということで、新海作品の弱点であった人物作画の弱さは解消された一方、見た目的にはかなり“キャラ萌え”成分も増したように思われる。ということでBD&DVD化の際には『ほしのこえ』と同じく声優版も欲しいところだ。三葉役は小澤亜李さんがいいと思います(強い私見)。

というところで、学生のデートムービーとしてなら文句なしだけど、既存の新海作品ファンの間では評価に温度差が出そうな気はする。とはいえ、今回と同程度の製作規模だと次回作はまた3年後とかになりそうなので、機会があるなら今のうちに観に行っておいたほうがよいかと。








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