この記事ではAmazonアソシエイトを利用しています。これらのリンクを通じて商品を購入した場合、筆者はアフィリエイト手数料を得ることがあります。
Googleは現地時間2024年12月11日、XRヘッドセット/スマートグラス用OS「Android XR」を発表しました。そのAndroid XRについて現在わかっていること、および今後の展望などについてまとめました(随時更新)。
Android XRについてわかっていること (Facts)
● Android XRはGoogleとサムスンが共同開発したXRヘッドセット/スマートグラス用OS
● Google・サムスン・Qualcommは2023年2月、次世代MRプラットフォーム(ハードウェア&ソフトウェア)を共同開発することを発表していた ※ 参考1 / 参考2 / 参考3
● Android XRはGoogleのAIアシスタント「Gemini(ジェミニ)」と統合されている
● Android XRではXRアプリだけでなく従来の2Dアプリも(ほぼすべて)動く
● Andoroid XR用アプリの開発にはAndroid StudioやUnityなどの統合開発環境(IDE)のほか、ARCore・Jetpack Compose・OpenXR・WebXRなどのツールやフレームワークが利用可能
● サムスンがAndroid XR搭載のXRヘッドセットを2025年に発売予定。コードネームは「Moohan(ムハン)」
● MoohanのSoCにはクアルコムのSnapdragon XR2+ Gen 2を採用
● Android XR搭載スマートグラスもスペック不明ながらプロトタイプはすでに存在。海外の複数メディアがデモ体験している ※ 参考1 / 参考2 / 参考3 / 参考4
● Google傘下のVRゲーム開発スタジオOwlchemy Labsは、同社のVRタイトル『Job Simulator』『Vacation Simulator』をAndroid XRに移植すると発表。さらに新作『Inside [JOB]』もリリース予定 ※ 参考1 / 参考2
Android XRの今後について推測・考察できること (Context)
● ソニーのXRヘッドセット「SRH-S1」のOSはAndroid XRになると言われている ※ 参考
● Lynxは現行機「R-1」では採用しないものの、次のデバイスからはAndroid XRを採用予定 ※ 参考
● Magic Leapは2024年5月にGoogleと戦略的技術提携をしたため、Magic Leap 2およびその後継機でも積極的にAndroid XRを採用していく可能性がある
● 当面の競争相手はMeta。MetaはMeta QuestのOS「Meta Horizon OS」をサードパーティに提供する方針で、すでにASUS、レノボ、Xboxに提供することを発表しており、今後各社から同OSを搭載したXRヘッドセットが登場する見込み ※ 参考
● Metaとはスマートグラス/ARグラスの分野でも競合になる見込み。一部の米メディアが体験したAndroid XR搭載スマートグラスのプロトタイプはRay-Ban Metaスマートグラスとは異なり、ディスプレイを搭載している模様
● MetaとAndroid XR陣営の競争はMeta AIとGoogle GeminiとのAI競争でもある。XR領域の覇権争いはXRデバイスだけでなく、両者のAIサービスの動向もセットで追う必要がある
● Android XR搭載ハードウェアの販売戦略にも注目。Metaと同様、販売補助金を出すなどして製品価格を抑える戦略を取るかどうか。あるいはサムスン以外のハードウェアメーカーからより廉価な製品が出るかどうか
● Appleは独自路線を採っているため、Android XRやMetaの真の競合になりうるかは不明。ただし現状ではApple Vision Proの販売は苦戦している
【参考】 Android XR関連資料
Android XRに関する公式プレスリリースやドキュメントなどをまとめました。こちらも随時更新予定です。