VALVE INDEXから6年ぶり、ストリーミングを前提としたVRヘッドセット
ゲームプラットフォーム「STEAM」の運営で知られるValveは現地時間2025年11月12日、新型VRヘッドセット「Steam Frame」を発表した。2026年初頭出荷予定で、日本も販売対象地域に含まれる。価格は現時点では未発表。
Steam Frame 製品スペック

現時点で判明しているSteam Frameのスペックは以下のとおり。
| SoC | Snapdragon 8 Gen 3 |
| OS | SteamOS |
| ディスプレイ解像度 | 4320×4320px(片眼2160×2160)、LCD×2 |
| リフレッシュレート(Hz) | 72〜120 Hz(試験的に144 Hzモードあり) |
| レンズ(光学系) | パンケーキレンズ |
| 視野角 | 水平110° / 垂直110° |
| 瞳孔間距離(IPD)調整 | 60㎜~70㎜(手動ダイヤル調整) |
| レンズ位置調整 | (確認中) |
| RAM | 16GB |
| ストレージ | 256GB / 1TB ※microSDカードスロットあり(最大2TB) |
| コントローラー | Steam Frame Controllers (指検知センサー搭載) |
| 重量 | ・ 本体約440g(バッテリー・ストラップ含む) ・ コア部:約185g |
| バッテリー駆動時間 | (未公開) |
| 接続端子 | USB-C |
| ヘッドトラッキング方式 | インサイドアウト |
| コントローラートラッキング方式 | ヘッドセット内蔵カメラによるトラッキング |
| 入力方式 | コントローラー/ゲームパッド(Bluetooth接続) |
| アイトラッキング | ○ |
| フェイストラッキング | × |
| 深度センサー | × |
| パススルー機能 | モノクロ |
| 内蔵カメラ | ・ 外向き4基 ・ 内向き2基(アイトラッキング) |
| 内蔵マイク | |
| 内蔵スピーカー | ステレオ |
| ネットワーク | ・ Wi-Fi 6E(ヘッドセット⇔PCストリーミング専用) ・ Wi-Fi 2.4 GHz / 5 GHz(一般接続) ・ Bluetooth 5.3(周辺機器接続・オーディオ対応) |
| 拡張性 | MIPI 2.5 Gbps+PCI Express 4.0 x1拡張ポート |
| 価格 | 未定 |
Steam Frameの特徴
ベースステーション不要のスタンドアロン型VRヘッドセット
現行機のVALVE INDEXは有線接続のPC VRヘッドセットで、利用にはHTC VIVEのベースステーション(SteamVR Base Station)が必要(アウトサイドイントラッキング)。
一方、Steam Frameはスタンドアロン型VRヘッドセットで、Steam Frame単体、PCとのワイヤレス接続のどちらでもプレイすることができる。
PCとワイヤレス接続可能なUSBドングルを同梱
Steam FrameにはWi-Fi 6E対応の専用ドングルが同梱。ヘッドセットとPCをワイヤレス接続し、高速&安定したゲームストリーミングを実現する。
一方、ヘッドセット⇔PC間のワイヤレス接続とは独立して、通常のインターネット接続には2.4GHz / 5GHz帯のWi-Fiネットワークも利用可能だ。
SteamのVR / 非VR両タイトルがプレイ可能
Steam FrameはSteamOSを採用しており、Steam上にあるVR・非VRどちらのタイトルもプレイ可能。
ただし、Steam Frameに搭載されているSoC「Snapdragon 8 Gen 3」では処理が追いつかないゲームもあるため、その場合はより高性能なPCと接続して、ワイヤレスストリーミングでプレイすることになる。
なお、Steam Frame単体でプレイ可能なゲームタイトルにはストアやライブラリにSteam Frame対応を示すアイコンが表示されるようになる予定だ。
その他、Steam Frameでは互換性レイヤー「Proton」を介して、LinuxやWindowsアプリを実行することもできる。
フォービエイテッド・レンダリング機能搭載
Steam Frameはアイトラッキング用の内向きカメラを各目に1基ずつ搭載。ユーザーが見ているところだけを高画質で描画する「フォービエイテッド・レンダリング(Foveated Rendering)」により、効率的な通信とレンダリングを可能にする。
機能拡張可能なコアモジュール設計
Staem Frameのコアモジュールには機能拡張用のポートが用意されており、例えばカラーカメラや深度センサー、フェイストラッキングモジュールなどを増設することも可能。
ただしValve自身では増設モジュールの開発はしていないため、実現にはサードパーティ製品の登場が待たれる。
VALVE INDEXは公式に生産終了
Valveはメディアに対し、現行機「VALVE INDEX」の製造終了を語った。これにより、Steam Frameが事実上VALVE INDEX後継機のポジションを確保したことになる。
Steam Frameは日本でも購入可能
日本におけるSteam Frameの販売は、VALVE INDEXでも販売代理店を務めたKOMODOが担当する。
KOMODOのサイトもすでに更新済みで、今回合わせて発表された「Steam Machine」「Steam Controller」とともに掲載されている。製品の予約はまだできないが、ウィッシュリストへの登録が可能となっている。


