Steam Frame / Quest 3 / Quest 3S スペック比較

アイキャッチ:Steam Frame / Quest 3 / Quest 3S スペック比較

 2025年11月12日(現地時間)、Valveが新VRヘッドセット「Steam Frame」を発表しました。出荷は2026年初頭予定で、日本も販売対象地域に含まれます(全世界同タイミングかは不明)。

 Steam Frameのカタログスペックだけを見ると、ダイレクトに競合となるのはMeta Quest 3ではないかと思われます。

 そこで今回はSteam FrameとMeta Quest 3、おまけとして現行機で稼働率が高そうなMeta Quest 3Sのスペックを比較していきます。

VALVE、新VRヘッドセット「Steam Frame」を正式発表。2026年初頭出荷&日本でも販売予定 Valve、新VRヘッドセット「Steam Frame」を正式発表。2026年初頭出荷&日本でも販売予定

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Steam Frame / Quest 3 / Quest 3S スペック比較

※スマホではスワイプで表が横にスクロールします。

Steam Frame
Meta Quest 3
Meta Quest 3S
SoCSnapdragon 8 Gen 3Snapdragon XR 2 Gen2Snapdragon XR 2 Gen2
OSSteamOSMeta Horizon OSMeta Horizon OS
ストアSteam(VR/非VR)Meta HorizonストアMeta Horizonストア
ディスプレイ解像度4320×4320px(片眼2160×2160)、LCD×2・4128×4416(片目2064×2208)、LCD2枚
・1058PPI / 22PPD
・3664×1920(片目1832×1920)、LCD1枚
・773PPI / 20PPD
最大リフレッシュレート(Hz)
120(144、実験的)
120
120
レンズ(光学系)パンケーキパンケーキフレネル
視野角水平110° / 垂直110°水平110° / 垂直96°水平96° / 垂直90°
瞳孔間距離(IPD)調整60㎜~70㎜(手動ダイヤル調整)53~75㎜(無段階)
58mm / 63mm / 68mm(固定3段階)
レンズ位置調整(確認中)アイレリーフ調整機構眼鏡スペーサー
RAM16GB8GB8GB
ストレージ256GB / 1TB
※microSDカードスロットあり(最大2TB)
128GB / 512GB128GB / 256GB
コントローラーSteam Frame Controllers (指検知センサー搭載)Touch PlusコントローラーTouch Plusコントローラー
ヘッドセットの厚み110mm(コアモジュール+フェイシャルインターフェイス)62.3mm(コアモジュールのみ)73.9mm(コアモジュールのみ)
重量440g(コアモジュール+ヘッドストラップ)515g(標準ヘッドバンド)514g(標準ヘッドバンド)
バッテリー駆動時間(確認中)2.2時間2.5時間
接続端子
USB-C
USB-C
USB-C
ヘッドトラッキング方式
インサイドアウト
インサイドアウト
インサイドアウト
コントローラートラッキング方式
ヘッドセット内蔵カメラによるトラッキング
ヘッドセット内蔵カメラによるトラッキング
ヘッドセット内蔵カメラによるトラッキング
入力方式
コントローラ
コントローラ/ハンドトラッキング/音声
コントローラ/ハンドトラッキング/音声
アイトラッキング
×
×
表情トラッキング
×
×
×
深度センサー
×
赤外線LED2基
パススルー機能モノクロフルカラーフルカラー
内蔵カメラ・ 外向き4基
・ 内向き2基(アイトラッキング)
外向き6基(うち2基はRGBカメラ)外向き6基(うち2基はRGBカメラ)
内蔵マイク
内蔵スピーカーステレオステレオステレオ
3.5mmオーディオ入力端子
×
×
ネットワーク・ Wi-Fi 6E(ヘッドセット⇔PCストリーミング専用)
・ Wi-Fi 2.4 GHz / 5 GHz(一般接続)
・ Bluetooth 5.3(周辺機器接続・オーディオ対応)
Bluetooth 5.2、Wi-Fi 6EBluetooth 5.2、Wi-Fi 6E
価格未定8万1400円(512GB)4万8400円(128GB)
6万4900円(256GB)

Steam Frameの価格はいくらになるのか?

 気になるSteam Frameの価格ですが、Valveとしては前世代機「VALVE INDEX」よりも安く出したい意向のようです(参考記事、英語)。ちなみに、VALVE INDEXの発売当初の価格は999ドルでした(ベースステーション込みのフルセット)。

 Steam Frameはベースステーションが不要なぶん安くできそうですが、性能向上にともなう製造原価の上昇やここ数年の物価高などを考えると、実際には1000ドル近くなる覚悟をしておいたほうがよさそうです。

 加えて昨今の円安から考えると、日本での販売価格は15~18万円程度になってしまうのではないでしょうか。となると、Meta Quest 3はスペック面では近いものの、価格面では2倍近くなり、実際には競合しない可能性があります。そもそもSteam Frameはゲーム専用、Meta Quest 3はマルチなMRデバイスという違いもありますが。

真の競合はSteam Deck?

 Valve社としては自社運営のゲームプラットフォームであるSteamを中心に、Steam Frame、Steam Deck、Steam Machine、そしてSteamコントローラー(2代目)を組み合わせた「Steamファミリー」を強化・成長させていく計画のようです。

 であれば、Meta Quest 3のことは必要以上に意識する必要はないですし、むしろSteam Frameの真の競合はSteam Deckになるのではないかと考えています。

 Steam Deckと同じくSteamのほぼすべてのゲームライブラリをプレイできるうえ、VRタイトルもプレイ可能。ヘッドセット単体でスペックが足りなければSteam MachineやゲーミングPCでワイヤレスストリーミングすればよい。

 しかもSteam Frameなら大画面でプレイできるうえ、リフレッシュレートもSteam Deckよりも高い。ハンドヘルドとヘッドセットの違い、さらに価格の差はあれど、スペック面ではSteam FrameはSteam Deckの上位互換といえる存在なのです。

Steam Frameに期待すること

 日本での価格や発売日も未定ですが、個人的にはSteam Frameがより多く売れることを期待しています。

 Steam Frameが売れれば、減少傾向にある「VRゲームのマルチプラットフォーム展開」が復活するかもしれないからです(最近はどうしてもMeta Quest専用タイトルになりがち)。

 ゲームタイトルがマルチプラットフォーム化されると必然的に1つのゲームタイトルに対するユーザー数が増えるので、FPSやソーシャルアプリなど、マルチプレイ対応タイトルがよりにぎわうというメリットがあります。

 Steam FrameはOSの仕様上、Meta Quest用とマルチプラットフォーム展開するのに手間がかかりそうですが、VRの再興も含め、2026年の動向に注目しましょう。