全身モーキャプ × 触覚 × 移動を一体化したXRシステム

1HMX(旧AIS Global)は2025年11月18日、ヒトの自然な身体動作と触覚を高度に再現し、ロボットの遠隔操作やVRトレーニングの精度を大幅に向上させる統合型全身モーションキャプチャシステム「Nexus NX1」を発表した。
Nexus NX1は同社が掲げるビジョン「人と機械の体験をシームレスにつなぐ」を具現化した製品で、全身モーションキャプチャと触覚・移動デバイスをワンパッケージ化したソリューションとなっている。
複数のモーションキャプチャ製品を統合した“全身トラッキングシステム”
Nexus NX1は、以下を含む複数の先進デバイスを統合したターンキー(即時利用可能)パッケージ。これらを組み合わせることで、リアルな触覚・自然な移動感・全身存在感(フルボディ・プレゼンス) を一体で実現する汎用XR操作環境となっている。
- HaptX Gloves G1: リアルな触覚&力覚フィードバックを得られるVRグローブ
- Virtuix Omni One: 360度全方向へ自然に歩行・走行できるモビリティプラットフォーム
- Freeaim Shoes: リアル空間での移動をトレースしながらその場での歩行を可能にするVRシューズ
- 72DoFのボディ&ハンドトラッキング
- VR・ロボティクス用SDK: システム統合を容易にする開発キット

ロボット操作・AI学習・VR訓練が大幅に進化
1HMXのCEO、Joe Baddeley氏は「Nexus NX1により、ヒューマノイドロボットとバーチャルリアリティの未来にとって極めて重要な、まったく新しい製品カテゴリーを確立しました」と語る。
「この製品は、シームレスで革新的、そして直感的なヒューマンマシン体験ソリューションのリーダーとなるという、1HMXのビジョンを体現しています」。
Nexus NX1を使用することで、ユーザーは現実さながらの触覚や運動感覚を得る一方、システム側では次のような高精度データを取得できる。
- サブミリ精度の72DoF全身モーションデータ
- 骨格および軟部組織モデル
- 指先・手のひらの数百点から得られる触覚変位・圧力データ
- 重心の位置
- 高精度の移動方向・速度データ
- 足裏から地面までの距離
これらはロボット遠隔操作(テレオペレーション)、AIトレーニングデータ、作業者のパフォーマンス評価として活用可能で、従来システムを大きく上回る精度を実現する。
1HMXのイマーシブ・テクノロジー部門の責任者であるJake Rubin氏は以下のようにコメントしている。
「10年以上にわたり、デジタル世界で活用できる、全身を体感できるリアルなシミュレーションシステムの開発に取り組んできました。Nexus NX1は現実とシミュレーションの境界をあいまいにする、完全な没入型体験の実現に向けた大きな一歩です」。
産業・医療・防衛など幅広い業界での活用を想定
Nexus NX1は製造・医療・防衛・研究など、高度な訓練や遠隔操作が求められる領域で価値を発揮するという。また、複数台をネットワーク化することで、実際の身体動作を反映したアバター同士のリアルタイムコラボも可能になる。
1HMXのシニアグローバル副社長、Joe Michaels氏は次のように語る。
「Nexus NX1は今日の人間の労働力、そして未来のロボット労働力にとって革新的な製品です。HaptXグローブのタッチフィードバック技術を、完全没入型システムへと拡張しました。これにより、今日の労働課題に取り組むうえで強力な優位性を獲得できるでしょう」。
出荷は2026年第2四半期、予約受付も開始
Nexus NX1は2026年第二四半期を出荷開始予定となっている。予約受付も開始しているが、発送先に日本も含まれるかは未確認。
1HMXについて
1HMX(旧AIS Global)は米国アイダホ州に本社を置く、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)やXRデバイスの設計・製造を行うグローバル企業。2025年8月にAIS Globalから現在の社名に変更した。
同社ではボタンやキーパッドといった基本的な入力装置から、高度なタッチスクリーン・ウェアラブルにいたるまで、製品ライフサイクル全体をカバーする。米国・英国・インド・台湾・中国に6つの製造拠点を持つ。
(出典: PR Newswire)

