Rokid スマートAIグラスを使ってわかった「買う前に知っておきたいこと」

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アイキャッチ:Rokid スマートAIグラス 実機レビュー

Rokidが2026年7月に発売した「Rokid スマートAIグラス」。今回、Rokid Japanからレビュー用の実機をお借りできたので、一定期間使用して筆者なりのレビュー記事を書いてみました。

メディアだけでなく個人にまで貸し出してくれるあたり、Rokidが発表会で言っていた「マーケティングその他に10億円規模で突っ込む」というのは本当だったのだなあと感じます。

Rokid スマートAIグラス発売直前! 「Rokidメディア発表会」レポート Rokid スマートAIグラス発売直前! 「Rokidメディア発表会」レポート

それはともかく、Rokid スマートAIグラスについてはすでに多くのレビュー記事・レビュー動画があるので、この記事では趣向を変え、実際に使ってみてわかった「買う前に知っておきたい細かい疑問」をQ&A形式で紹介していきます。

Rokid スマートAIグラスを実際に使ってみて分かったこと

Q 1. グラスをかけていて鼻やこめかみは痛くならない?

A. 最初は痛くなるかも。慣れと調整で改善できる

Rokid スマートAIグラスは各種電子パーツが入っているぶん、一般的なメガネよりも重量と厚みがあります。さらに、テンプル(つる)がこめかみをやや強めに押さえ込むような構造になっているため、最初は鼻まわりやこめかみに多少の圧迫感があります。

ただ、こうした違和感は実際に使っているうちにある程度は慣れてきます(もちろん個人差はあるでしょうが)。

Rokid スマートAIグラス(左)と筆者が普段使いしているメガネ(右)を正面から見た図
Rokid スマートAIグラス(左)と筆者が普段使いしているメガネ(右)
Rokid スマートAIグラス(左)と筆者が普段使いしているメガネ(右)を横から見た図
正面から見るとそこまで差はないが、横から見るとフレームやテンプル(つる)の太さの差は歴然

装着感の改善にはノーズパッドと、テンプルの内側に貼る小さなスポンジがあります。

ノーズパッドは大小2種類が用意されており、デフォルトでは大きいほうが付いていました。交換にはグラス側にあるネジを外す必要がありますが、ネジそのものが小さく、当然ネジ穴も小さいため、交換にはひと苦労しそうです。

グラス本体、ノーズパッド交換のためのネジの場所
ノーズパッドの交換にはネジの取り外し作業が必要

一方、テンプルの内側に貼る小さなスポンジは接触部分の当たりを柔らかくできるので、装着感の改善には役立ちそうです。ただ、個人的には見た目のほうを優先したため、今回は使用していません。

テンプルサポートスポンジ(左)と交換用ノーズパッド(右)
テンプル用スポンジ(左)と交換用ノーズパッド(右)

そしてもうひとつ、装着感とは別に、実機をかけていて気になったのがフレームの形状です。

というのも、レンズ部分のフレーム両端が角ばっており(専門用語では「智(ち)」とか「ヨロイ」と呼ばれる部分)、手や指の当たりどころによってはちょっと痛いかもしれません。

レンズ部分のフレーム両端が角ばっていることを赤丸で囲んで注意
赤い丸で囲んだ場所はやや注意。思ったよりも固くとがっている

結論としては「慣れれば長時間の着用も問題ないが、普通のメガネとまったく同じ感覚を期待すると少し違和感がある」といったところです。

Q 2. 矯正レンズはちゃんと使える? 見え方は大丈夫?

A. 度数の合った矯正レンズこそが生命線

筆者はふだんからメガネをかけており、Rokid スマートAIグラスを使うにあたっては矯正レンズが欠かせません。

その矯正レンズも今回はRokid Japanが用意してくれたのですが、手違いがあったのか、最初に届いた矯正レンズは筆者が申請したのとは異なる度数のものでした。

物は試しということで装着してみたものの、ディスプレイ表示が二重になってしまい、まともに使うことができませんでした。その後、正しい度数のレンズを送り直してもらったところ、今度はしっかり見えるようになりました。

普通のメガネであれば多少度数が合っていなくても、ちょっとぼやけて見えるくらいで使えないことはないのですが、ことスマートグラスのディスプレイに関しては、ピントが合わなかったらガチで詰みます

ということで、矯正レンズを必要とする人は、何をおいても自分の視力に合った矯正レンズを作ることに注力してください。

直接お店に持ち込んで、店頭で視力検査を受けながら作れればベストですが、それができない場合は眼科でしっかりレンズ処方をしてもらいましょう。すでに処方箋がある人でも、ディスプレイ付きグラスを購入するなら改めて処方し直すのが安心・安全です。

Rokid AIグラス専用の度付きレンズ作成サービス(出典:Rokid

● 矯正レンズの取り付けはマグネット式

さて、その矯正レンズアタッチメントですが、フレームの溝にはめ込み+マグネットで固定する構造になっています。

アタッチメントがわりと簡単にはまったため、逆に「簡単に外れてしまうのでは?」と思い、かなり強めに振ってみましたが外れることはありませんでした。少なくとも日常生活で普通に使っているぶんには外れる心配はしなくてよさそうです。

● 矯正レンズが本体レンズにぴったり重ならなくても大丈夫

もうひとつ、実際に装着してみて気になったのが、本体側のレンズと矯正レンズが完全に密着していないことです。

最初は「きちんと装着できていないのでは?」と思いましたが、矯正レンズは若干湾曲している一方、グラス側のレンズは完全にフラットであるため、密着しなくて当然でした。もちろん、実際の使用にも問題はありません。

矯正レンズアタッチメントをはめ込んだところ。レンズ部の厚みはそれほど増えない
一見ちゃんとハマっていないように見えるが、矯正レンズが湾曲しているのでこれが正解

なお、矯正レンズを装着した状態での本体重量は実測で約60gでした。本体が公称で49g(実測で50gちょい)なので、矯正レンズ1組(2枚)で約10gといったところです。

Q 3-1. リアルタイム翻訳って、結局どこで使うの?

A. 話し相手がいなくても使いどころはある…はず

スマートグラス・AIグラスの代表的な機能のひとつとしてよく取り上げられる「リアルタイム翻訳」。

海外旅行やビジネスシーンで外国人と会話する、といったイメージ映像はよく見ますが、こうした用途は海外によく行く人や外国人と日常的に接する人でなければ、機会は多くありません。

リアルタイム翻訳のよくあるイメージ(出典:Rokid)

では、そうでない人にとってリアルタイム翻訳機能が活きるシチュエーションはあるでしょうか。筆者が実際にやってみて「使えそう」と思ったのは、スマートフォンで再生する外国語動画の翻訳です。

Rokid製スマートグラス用スマホアプリ「Hi Rokid」では、設定を変更することでスマホで再生している動画を翻訳させることができます。例えば海外YouTube動画を見ていて、外国語音声を聞きながら、翻訳された内容をグラスのディスプレイで確認する、といった使い方が可能です。

翻訳の音源(集音シーン)は専用アプリから変更可能

これだけだと「YouTubeの字幕機能を使えばいいのでは?」となりますが、スマートグラスのディスプレイに翻訳字幕を表示することで、画面から目を離した状態で「ながら視聴」ができるというわけです。

Hi Rokidアプリ

Hi Rokid – Rokid Glasses

無料

Q 3-2. スマートフォンをミュートしても翻訳できる?

A. 完全にミュートした状態では無理

残念ながら、音声を完全にミュートした状態ではリアルタイム翻訳は起動しませんでした。音声ボリュームを最低でも1は出しておく必要があります。

逆に言えば最小ボリュームでも翻訳字幕は出せるので、YouTube動画とリアルタイム字幕表示を使って外国語学習(リスニング)に活用することはできるでしょう。音を出す必要がある以上、公共の場所では難しいかもしれませんが。

Q 3-3. 洋画の字幕代わりにも使える?

A. 映画やドラマの字幕用途には向かない

理由は翻訳そのものの精度というより、字幕の文字量です。

映画やドラマの日本語字幕には、表示できる文字数や時間などの制約があります。

一方、Rokidのリアルタイム翻訳は内容をきちんと日本語にしようとするため、映画の吹替字幕のように短く整理された文章を期待すると、逆に文章量が多すぎるように感じてしまいます。

つまり、「翻訳できるか」という問いなら「できる」ですが、「映画の字幕と同じように快適に使えるか」となると「NO」ということになります。

Q 4. アプリ開発環境はどう?

A. 着手できなかったため評価は保留。ただし注意点あり

Rokid スマートAIグラスはユーザーとして利用するだけでなく、専用のアプリ開発をすることもできます

筆者はアプリ開発まで手を付けられなかったため開発環境については評価できませんが、ひとつだけ注意事項があります。

それは「アプリ開発には専用の開発用ケーブルが必要」ということ。アプリ開発を検討している人は、実際の開発手順や必要な機材について別途確認しましょう。

Q 5. 結局、いくらあれば使えるの?

A. なんだかんだで15万円前後を見ておいたほうがよさそう

Rokid スマートAIグラスを購入するなら、本体以外にかかる金額のことも考える必要があります。

● Rokid スマートAIグラス本体: 約11万円
● 矯正レンズ: 約1.5万~3万円
● 充電ケース または カプセル充電器: どちらも約1.7万円

もちろん、すべてを購入する必要はありませんが、少なくとも矯正レンズが必要な人は追加出費確定です。ヘビーユーザーになれば、きっと外部バッテリーも欲しくなるでしょう。購入検討時には予算を多めに用意しておくと安心です。

Q 6. そんな高価なものを顔につけて外出するの、怖くない?

A. わりとマジで怖い

今回の試用体験でもっとも強く感じたことのひとつがこれでした。

「10万前後だったらスマホも同じじゃない? なんならハイエンドモデルは20万とかするし」という意見もあるでしょう。

ただ、スマートフォンには分割払い・通信キャリア割引・端末補償サービス・端末返却プログラムなどがあるため、金額面での心理的な負担は少ないです。

また、スマホはケースや液晶保護フィルムなどのアクセサリーも充実していますし、いざとなれば多少傷がついても、なんなら液晶が割れても使い続けることができます。

一方、スマートグラスの場合、「落としたらどうしよう」「レンズに傷がついたら」「フレームが曲がったら」「ディスプレイ部分が壊れたら」など、(心配し過ぎだとしても)わりと不安要素が多いのも事実です。それ以外にも「雨の日はどうすれば」「気軽に外して盗まれたら」などなど、悩みの種は尽きません。

もっとも、これはRokidだけの問題ではなくスマートグラス・AIグラス全体の問題です。現時点でどうにかできるわけではありませんが、人によってはかなり気になるポイントかなと思います。

Rokid スマートAIグラスを競合製品と比較すると?

さて、本記事はRokid スマートAIグラスの実機レビュー記事ではありますが、一方で、2026年8月現在、本製品とがっつり競合する他社製品が複数あります(近日発売予定のものも含む)。

そこで、ここでは日本国内で販売中・発売予定のAIグラスと、Rokid スマートAIグラスを簡単に比較してみます。

ディスプレイ・カメラ・マイクで見る競合比較

今回はシンプルに「ディスプレイの有無」「カメラの有無」「マイクの有無」という3点で比較します。表にすると以下のとおりです。

ディスプレイカメラマイク価格(税込)
★ Rokid スマートAIグラス
10万9890円
Even Realities G2
×
9万9800円
SABERA
×
9万2400円
ThinkAR AiLENS V1
8万7780円
INMO GO3
9万9800円
RayNeo iO
×
国内価格未発表

Rokid スマートAIグラスの場合、ディスプレイによる情報表示を中心に、カメラやマイクも含めてAI機能を最大限活用する、いわば「全部入り」のAIグラスです。

一方で、Even Realities G2SABERAのようにカメラ非搭載の製品もあります。しかし、カメラ非搭載だからカメラ搭載機に劣っているかというと、そういうことでもありません。

たとえば、カメラがないぶんデバイスを薄型化・軽量化できたり、バッテリーの持ちをよくしたりできます。また、カメラがないぶん製品価格を下げることも可能でしょう。

さらに、昨今問題となっている、カメラ撮影によるプライバシー侵害の問題を最初から排除できるのも、現状ではプラス要素と言えそうです。

同じようにディスプレイの場合も、表示解像度を上げたりフルカラー化したりすると、そのぶん重量・サイズ・バッテリー消費・価格に跳ね返ってきます。

つまり、スマートグラス・AIグラスは「多機能なほうが優れているとは限らない」製品だということです。

正直な話、Rokid スマートAIグラスは「全部入り」ですが、競合製品を圧倒的に引き離しているわけでもありません。購入を検討するなら、まずは競合製品と比較して、自分が本当に求めている製品はどれかを考えるところから始めるとよいでしょう。

スマートグラス・AIグラスおすすめ比較 【2026年最新】スマートグラス・AIグラスおすすめ比較:鉄板のMetaから国産のSABERAまで

Rokid スマートAIグラスはどんな人に向いている?

筆者自身が実際に使ってみた感想をまとめると、Rokid スマートAIグラスは確実に「使う人を選ぶAIグラス」ということになります。向き不向きな人をざっくりまとめると、以下のような感じでしょうか。

こんな人には向いている

  • ある程度の価格を許容してでも、より多機能・高性能なAIグラスを体験したい
  • リアルタイム翻訳があると便利な状況が多い日常生活を送っている
  • 外国語学習ツールとしての可能性を探ってみたい
  • AI機能をスマホとは別の形で使ってみたい

特に「リアルタイム翻訳を使う理由が明確にある人」には面白いデバイスだと思います。逆に、単なる新しもの好きなだけでは、仮に買ったとしてもどこかで飽きが来てしまうかもしれません。

こんな人にはまだおすすめしにくい

  • 普通のメガネと同じ軽さ・手軽さを求める
  • スマートグラスを使う具体的な目的がない
  • 高価なデバイスを外で使うのが怖い
  • AI機能はスマホやPCだけで十分だと感じている

「AIグラスでこれをやりたい」というのが少なくとも1つはないと、普通のメガネと比べたときのメリットよりもデメリットのほうに意識が向いてしまいそうな気がします。

【補足】 Rokid スマートAIグラスの“ちゃんとした”レビューはこちら

Rokid スマートAIグラスについては当然ながら“ちゃんとした”レビューも多数出ています(テキスト・動画)。

本記事の最後に、筆者が参考になった、あるいは面白いと感じた記事・動画をリストとして置いておきます。読みごたえ・見ごたえのあるレビューが必要な人は参考にしてください。

レビュー記事

■ ライバルはMeta。ディスプレイ搭載スマートグラスRokidを触ってきた (ギズモード

■ Rokid スマートAIグラス使用レビュー|普段遣いできるか試してみた (ビックカメラ

■ Rokid スマートAIグラス のレビュー・口コミ評判と特徴 49g×ディスプレイ搭載×89言語翻訳のフルAIグラス (note)

■ My Review of Rokid Glasses (Reddit

■ RokidスマートAIグラス レビュー 「全部できる」スマートグラスをMeta・Evenと比較 (テクノエッジ

■ 全部入りの「Rokid」か、特化型の「Even G2」「Ray-Ban Meta」か? 注目スマートグラス3製品を徹底比較 (ITmedia PC USER

レビュー動画

◆ RokidスマートAIグラスを試してみた!49gの相棒 (大石結花 // Yuka Ohishi

◆ 【Even G2 vs Rokid スマートAIグラス】めっちゃ便利なAIグラス、どっちが便利?徹底比較検証! (MATTU SQUARE

◆ 普段使いできるカメラ付きスマートグラスRokid Glassesが最高だった (こたうち企画

◆ 【RokidスマートAIグラス】何ができる?2ヶ月使ってわかったリアル (Apple Watch Journal


【Disclosure】 本記事はRokid Japan社より製品を貸与いただき執筆しています。製品は記事掲載後に返却予定で、内容や評価について事前確認・金銭の提供はありません。