「もっとVRにコミットしたい」と思い、今さらながらゲーミングノートPCを購入しました。買ったのはドスパラの「GALLERIA GR2060RGF-T」(※製品ページはすでに消滅)。GeForce RTX2060(Mobile)を搭載しているのと、Ryzenゆえのコストパフォーマンスの良さが決め手でした。あと本体重量も。
デスクトップ機ではなくノートPCにしたのは、あちこちに持ち運んでVR体験を他人に布教することも視野に入れてのこと。ともあれ、まずは手持ちのMeta Quest(旧Oculus Quest)でQuest Link(旧Oculus Link)するぞ、と思ったのですが……これが上手くいかない。
これは自分の予習不足だったのですが、どうやらAMDのAPU(CPU+内蔵GPU)とNVIDIAのディスクリートGPUという組み合わせはVRと相性があまり良くないようです。
ということで本エントリーでは、GALLERIA GR2060RGF-TでQuest Linkを動かすためにやったことなどをまとめていきます。
1:PCの基本情報
GALLERIA GR2060RGF-Tの主なスペックはこんな感じです。
CPU:Ryzen 7 4800H
GPU:AMD Radeon RX Vega 7 / GeForce RTX 2060
RAM:16GB DDR4
SSD:512GB NVMe
2:GPU関連の設定
Quest Link対応として設定を固定しているのは以下です。
(1) OculusClient.exe、OculusDash.exe を「高パフォーマンス」に
(2) NVIDIAコントロールパネル、電源モードで「パフォーマンス最大化を優先」、PhysXでプロセッサを「RTX2060」に固定
(3) 電源オプションを「高パフォーマンス」に
(4) PCのパフォーマンスモードは「Game Mode」に(独立したモード変更ボタンがある)
(5) OculusPatchMarch2018.exe をあてる
3:検証結果
アプリの動作状況は以下のとおりです。
(1) 内蔵GPU有効のまま起動した場合(NVIDIAコントロールパネルの設定は下図参照)
(2) 内蔵GPUを無効にして起動した場合(※コントロールパネルでデバイス無効化→PC再起動)
Questアプリ(Quest LinkによるPCVR)
タイトル | 内蔵GPU有効 | 内蔵GPU無効 |
---|---|---|
Amaze | ○ | ○ |
Blocks | ○ | – |
Echo VR | ○ | ○ |
Frostpoint VR (Beta) | ○ | ○ |
Google Earth VR | × | × |
Medium by Adobe | 動くがカクカク | ○ |
Minecraft | ※1 | ※1 |
Sphere Toon | ○ | ○ |
vSpatial | ○ | ○ |
Wave Beta | × | ※2 |
※1:VR自体は起動するが本編に移行しない。本体(Windows 10版)が試用版だからかも
※2:起動はするがエラーメッセージが出てプレイ不可
SteamVR
タイトル | 内蔵GPU有効 | 内蔵GPU無効 |
---|---|---|
AltspaceVR | ○ | ○ |
ambr | ○ | ○ |
Frostpoint VR (Beta) | ○ | ○ |
Gal*Gun VR | ○ | ○ |
Google Earth VR | ※3 | ※3 |
Groove Fit Kingdom! | ○ | ○ |
Neos VR | × | 動くがカクカク |
Rec Room | × | 動くがカクカク |
Skyrim VR | ○ | ○ |
STYLY | ○ | ○ |
VirtualCast | × | ○ |
VR Benchmark Kanojo | ○ | ○ |
VR Kanojo | ○ | ○ |
VRChat | × | ○ |
※3:Virtual Desktop経由だとプレイ可
Windows
タイトル | 内蔵GPU有効 | 内蔵GPU無効 |
---|---|---|
cluster | ○ | ○ |
Engage | ○ | ○ |
Minecraft | ※4 | ※4 |
Mozilla Hubs | ○ | ○ |
Virbela | ○ | ○ |
※4:VR自体は起動するが本編に移行しない。本体(Windows 10版)が試用版だからかも
4:感想&メモ
今後もNVIDIAコントロールパネルの設定をチマチマいじりつつ、いずれは「これ一発で全部OK」な設定を探り当てたいところです。個人的にはMeta QuestではプレイできないGoogle Earth VRが動かないのと、VRモードでないとDJプレイができないWaveが動かないのがきつい(※WaveのVRアプリは2021年3月末にサービス終了)。
この記事を最初に書いた時点では「内蔵GPU無効化」が一番正解に近い状態でしたが、2022年9月時点ではWindows 11でのQuest (Air) Linkも正式版になっているので状況も変わっているかもしれません(再調査できていませんが)。
そして最大の懸念は「Quest Linkではなく普通のPC接続型VRヘッドセットならこのPCでも問題なく動くのか?」ということ。ただ、2022年9月時点では世間はスタンドアロン型が主流になりつつありますし、VarjoシリーズのようなハイエンドPCVRはそもそもゲーミングノートでは動かせないでしょうから、今となってはあまり気にしなくていいのかも。