2026年、クリエイターとファンはいかに主導権を握るか

マルチ配信とプラットフォーム横断
Clawmasterは、「複数プラットフォームでの同時配信」という新たなトレンドにも注目している。
「すでに大手VTuberがマルチ配信を始めていますが、2026年にはさらに多くのVTuberがTwitchとYouTubeの両方で配信するようになるでしょう。Twitchとの契約上できない人もいますが、可能な人はそうするはずです」。
TwitchとYouTubeだけでは足りない場合、他の選択肢もある。
「両プラットフォームとも必ずしも居心地の良い場所ではなくなっているため、両方に留まりつつ、Kickに拠点を構えるVTuberも増えるでしょう」。
VTuber版CameoとされるVLOOPLAYや、より成人向けの配信プラットフォームであるRPLAYも、2026年はさらに存在感を増すと見られている。
切り抜き職人は大幅に減少?
「2026年、切り抜き職人は大幅に減るでしょう」とClawmasterは予測する。
「今でもまだ残っている人の多くはペースを落としているか、動画編集者のキャリアを目指して辞めています」。
YouTubeの再利用コンテンツに関するポリシー強化により、単なる切り抜きは収益化停止やチャンネル削除のリスクを抱えるようになった。そのため、切り抜き職人は“推し”のオリジナルコンテンツとの差別化を図る必要に迫られている。
FilianやBrave group US、VAllureなどによる支援プログラムが切り抜き職人にとっての命綱となっていたが、それも長期的に持続可能かは不透明だ。
「情熱だけで編集を続けられる期間には限界があります。いずれ別の道を探すか、対価を求めるようになるでしょう」。
文化的・商業的表現
VTuberによるリアル体験の増加
Clawmasterはこう付け加える。
「すでに多くのVTuberが顔出しに抵抗を示さなくなっており、この流れは2026年も続くと考えられます。
モデルの裏に実在の人間がいると分かることで、視聴者はより強い結びつきを感じられます。その結果、VTuber界における“暗黙のルール”も次々と書き換えられていくでしょう」。
Teddyも次のように述べる。
「2026年にはVTuber向けのイベントがさらに増えることが予想され、新興勢から有名どころまで、より多くのVTuberが登場するでしょう。彼らは従来のVTuberの枠を超え、“2.5次元パフォーマー”として活躍することにより心地よさを感じるようになると思います」。
Phoebe Chan、Obkatiekat、Yumemi Dreams、Hazumi Aileen Okazaki、Uzuki Tomoyaなどは、過去2年でその先例となった存在である。
ただし、VTuberも偏見から完全に逃れられるわけではない。Vivi Chan the Dragonが、イベント開催前にもかかわらずSuper MAGFest 2026のゲストリストから外された事例もある。主催者側には、招待前の十分な検討と期待値調整が求められる。
幸いなことに、これは例外的なケースであり、多くのイベントはVTuberを歓迎している。ただし、現地にいる出演者と同等の配慮がVTuberにも必要で、安定したインターネット環境や適切な機材の準備が不可欠である。
音楽を通じてVTuberを知る人は今後も増える
昨年立ち上がったVTune FMは、VTuberシーンが見落としがちな要素、すなわち「音楽ライセンス」に光を当てた。
ホロライブが対応してきたのはキャラクターライセンスやブランドコラボレーションだけではない。BMIライセンスを取得したラジオ局や企業が、所属タレントの楽曲を流せる仕組みも整えている。
VTuberは今後も誇れるオリジナル楽曲を制作し、配信プラットフォームで公開していく。VTune FMやLAG Radioのような番組は、それを喜んでリスナーに届けるだろう。
さらに、配信やラジオ、イベントだけでなく、音楽ゲーム(リズムゲーム)にVTuberの楽曲が収録される可能性もある。
アイドルVTuberの星街すいせい、歌い手兼VTuberのななひら、そしてボーカロイドP兼VTuberのDasuの共通点を挙げるとすれば、彼らの楽曲が2つ以上のリズムゲームでプレイ可能になっているということだ。
VTuber自身のプロジェクトがさらに増える
The first virtual talent to perform at Budokan makes her way to Hollywood! Catch KAF(@virtual_kaf) and be captivated by her one-of-a-kind voice as she returns to America with Fantastic Reality presented by IRIAM!
— Fantastic Reality (@FRproductions) September 12, 2025
Full VOD on SPWN 🔗⤵️ pic.twitter.com/JiGlloh9XC
2026年はオンライン/オフラインのライブや、イベント会場の内外で催される小規模なリアル体験など、VTuberが自身のプロジェクトをより積極的に展開する年になると予想される。これらを実現するにはスタッフの全面的なサポートや、スポンサー・ブランドからの資金提供が不可欠だ。
ClawmasterはOffKai Expoについても語る。
「来場者数はさらに増え、OffKai周辺で他のVTuberグループ主催イベントや企業パーティーが増えていくでしょう。OffKai Expoは、徐々に“VTuber版サンディエゴ・コミコン”になっていくはずです」。
彼はまた、OnKey Expo、OshiUplink、Phase Con 2026など、今年初開催となる新たなVTuber特化イベントにも期待を寄せている。
その他にも、Kori-OujoやAkaScarlet、そしてホロライブ・ナイトの事例が示したように、VTuberはリアルスポーツイベントにも参加できる。
「スポーツスタジアムが試合の一部としてVTuberを招待したり、VTuber自身がチームをPRしたりする例は今後も増えるでしょう」とClawmasterも予想している。
「LAドジャースはホロライブとのコラボで成功を収めましたし、他の小規模なスポーツチームがチームのプロモーションとしてVTuberをスクリーンに登場させるのも見てきました」。
ファンはこれからも“推し”のVTuberを支え続ける
VTuberファンは事務所の許可があろうとなかろうと、推しのためのイベントを開催し続けるだろう。これは予測というより、すでに起きている事実だ。経済的に厳しくても、ファンは2025年も数多くの企画を実行してきた。
象徴的な場所に応援広告を出すための資金を募るクラウドファンディング、カフェでのカップスリーブイベント、ファストフード店での誕生日パーティーまで、自身の推しVTuberを誇りと思えるような、さらなるサプライズがあることを楽しみにしている。
Otsuu! @HaliChrysaora pic.twitter.com/dGAfNQN59S
— Whoragt〖 Davidbeatt 】 (@whoragt) January 4, 2026
この予測記事を最後まで読んだあなたには、きっとさらに多くの疑問が浮かんでいるはずだ。しかし、それはあなただけではない。実際、この原稿をまとめる作業自体が非常に複雑だった。
それでも、我々はここでいったん筆を置くことにする。いくつかの予測はすでに現実になり始めており、逆にまったく起こらないものもあるだろう。今年の終わりにまたお会いし、どの予測が現実となったのかを確かめよう。
※記事中で使用している画像は訳者が独自に用意したもので、元記事とは異なる場合があります。当翻訳記事のサムネイル画像および記事中画像は葛葉、Layna LazarのYouTube配信スクリーンショット、、およびPR Timesのプレスリリース素材から作成しました。

