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3選とか5選とかありません。とにかくこの1冊だけです。
できればライター業・編集業をやってる人・目指してる人は読んでおいて欲しいですし、自分もたまに若いスタッフに指導するときには必ず読むように薦めています。最低限、第4章まで読んで身に付ければOKです。あと、『実戦・日本語の作文技術』という続編もありますが、そちらは読まなくても問題ないでしょう。
本書の第1章に書かれているのですが、
私たちは日本人だから日本語の作文も当然できると考えやすく、とくに勉強する必要がないと思いがちである。
小学校でいったい作文の基本的技術をどれだけ教えているのだろうか。作文の時間そのものが、たとえば私たちの小学校時代より少ない上、読書の「感想文」などを書かせているのだ。このような日本の教育環境もまた、いまの日本に非論理的文章の多い一因であろう。
まさにこれです。
ライターになるのは簡単ですし(食べていけるかは別にして、ぶっちゃけ名乗るだけでライターになれます)、その技量がピンキリなのは上記引用のとおりといいますか、日本語教育の課題なんだろうと思います(する側も受ける側も)。
自分も本書を読んだのはもう数十年前、大学入試での小論文対策としてでしたし、その時にようやく作文技術を意識するようになったと記憶しています。
実際のところ、編集者の立場からライターの原稿を読むときに、「てにをは」からチェックするのはけっこうしんどいものがあります。自分は原稿の内容と構成をチェックしたいのであって、その手前の誤字脱字・てにをはチェックまでやるのは編集者にとってもライターにとっても時間とスキルを損しているなあと。正論では「そういうところまで指導してライターを育てていくのが編集者の仕事」となるのでしょうが……。
ですので、「作文技術を学ぶのは本書でなければダメ」というわけではなく、何でもいいから一回きちんと「作文技術」を意識して学びましょう、おたがいの負担を減らしましょうと主張したいだけだったりします。
例えば類書には以下があるのですが、これは自分が読んでないから今回薦めていないだけです。いつか読むことがあって、こちらのほうが良さそうだったら、このエントリーもタイトルを「2選」に変更してこっちメインに書き換えると思います(※)。
※ 現物を立ち読みでさらっと眺めてみましたが、内容以前に「新書サイズ、しかも右綴じ右開きなのに横書き」という組版がどうにも受け入れられずで見送ることに。図表を多用したかったのかもしれませんが、新書サイズで横組みはちょっと読みづらいですね……。