スマホ版VRChat(Android)の基礎知識

 2023年12月9日(日本時間)、VRChatのスマホ版(Android)がオープンベータとして公開されました。本記事ではスマホ版VRChat(Android)について、端末の必要スペックや操作方法などの基本情報をまとめていきます。

VRChatとは

 VRChat(VRチャット)はVR空間でユーザー同士がコミュニケーションを楽しめる、知名度・ユーザー数ともに世界最大級のソーシャルVR(≒メタバース)アプリです。

 対応プラットフォームはPC VR(Steam)、Meta Quest 2/3/Pro、およびPICO 4。Windowsでは非VRのデスクトップモードもプレイできます。その他、2023年12月にはVIVEトラッカー(Ultimate)に対応した「VRChat for VIVE XR Elite」もリリースされました。いずれも基本料金は無料です。

スマホ版VRChatとは

VRChat [Beta]

VRChat [Beta]

VRChat Inc.無料

 スマホ版VRChatとはその名の通り、Androidのスマートフォン/タブレットでプレイできるVRChatです。2023年4月に発表され、8月にアルファ版がリリースされましたが、アルファ版はサブスクリプション「VRChat+」に加入している有料ユーザーだけが利用可能でした。

 12月9日(日本時間)に公開されたオープンベータ版は誰でも無料で利用できるほか、VRChatのアカウントの代わりにGoogleアカウントでもログインできるようになっています。

スマホ版VRChat(Android)の基本情報01
スマホ(Android)版VRChatのログイン画面。既存のVRChatアカウントのほか、Googleアカウントでもログイン可能
スマホ版VRChat(Android)の基本情報02
画面下中央の「Play」ボタンから自分のホームスペースへ。一覧にある「VRChat Home」はパブリックスペースなので注意

スマホ版VRChatの基本情報

 それでは以下にスマホ版VRChatの情報を記していきます。2023年12月現在はベータ版のため、仕様は随時変更がかかるものと思われます。

動作環境

 Android版VRChatの動作環境は「Android 10以降」「RAM 6GB以上」。筆者自身が動作確認した端末は以下になります(今後はネットから情報を拾って追記予定)。

 なお、スペックを満たしている場合でもローエンドの端末では上手く動作しない場合があるとのことです。

【動作確認済み端末】

・Google Pixel 7a
・Xiaomi Redmi Note 10 Pro

操作方法

 スマホ版VRChatの操作方法は以下のとおりです。

【移動】

  • 画面左下側にあるサムスティック(丸いギミック)で前後左右の移動操作。サムスティックは画面左下の一定範囲内ならタップした位置に移動するため、画面を注視しなくても操作可能
  • サムスティック以外の場所をスワイプすることで視点移動
  • 画面を任意の場所をダブルタップ&押しっぱなしで自動的に前方向に移動開始。自動歩行中も画面スワイプで向きを変えられる。自動歩行はメインメニュー内「Settings」>「Controls」>「Enable Auto Walk」でオン/オフ可能
  • 画面の左端または右端をタップ/長押しするとその方向に自動的に回転。自動回転の速度はクイックメニュー内「Settings」>「Mobile」、またはメインメニュー内「Controls」で調整可能(※自動回転機能は未実装の模様
  • 視線感度(Look Sensivity)はクイックメニュー内「Settings」>「Mobile」、またはメインメニュー内「Settings」>「Controls」から調整可能
  • 画面のタテ/ヨコ設定はクイックメニュー内「Settings」>「Mobile」、またはメインメニュー内「Controls」で設定可能。端末の自動ローテーション機能がオンになっていれば自動的にタテ/ヨコが切り替わる
スマホ版VRChat(Android)の基本情報03
画面下に並ぶ操作UI。左からサムスティック/マイク/ジャンプ/クイックメニュー
スマホ版VRChat(Android)の基本情報04
クイックメニューを開いた画面右下にある歯車アイコンから設定(Settings)へ。右上にある外向けアイコンからメインメニューへ
スマホ版VRChat(Android)の基本情報05
クイックメニュー、設定内の「Mobile」でスマホ向けの各種設定が可能
スマホ版VRChat(Android)の基本情報06
メインメニュー。クイックメニューよりも多くの設定項目が選択可能。メインメニューでは強制ヨコ画面になる
スマホ版VRChat(Android)の基本情報07
ヨコ画面でのクイックメニュー表示。サイドパネルも同時に表示されるぶん情報量は多いが、メインメニュー同様文字サイズはかなり小さくなる

【オブジェクト選択】

  • オブジェクトは直接タップすることで持つことができる。メインメニュー内「Settings」>「Controls」でダイレクトタッチ(Direct Touch)とカーソル照準(Reticle Aim)の切り替えが可能
  • インタラクション可能なオブジェクトをタップする/カーソルを合わせると、画面にSelectボタン(手のひらマーク)が表示
  • 装備したものを外すには、画面右側に表示されたボタン(斜線入りの手のひらマーク)をタップ
  • メインメニュー内「Settings」>「Controls」>「Show Secondary UI」をオンにすると、アイテムのオン/オフボタンを画面左側にも表示
  • 手に取ったオブジェクトは自動的にホールドされる。自動ホールドはメインメニュー内「Controls」>「Enable Auto Hold」でオン/オフ可能(※オン/オフ機能は未実装の模様
  • ワールドUI(ボタンやスライダーなど)はタップで操作可能
スマホ版VRChat(Android)の基本情報08
オブジェクトを手に持っている場合、持つ/離すアイコンが表示
スマホ版VRChat(Android)の基本情報09
小さくて気づきにくいが、画面中央には常にカーソルが表示されている
スマホ版VRChat(Android)の基本情報10
インタラクションモードを「カーソル照準」(Reticle Aim)にしている場合の表示

【ナビゲーション】

  • ジャンプボタン長押しで「しゃがみ」「伏せ」ボタンが出現
  • クイックメニューボタン長押しでアクションメニューとメインメニューのオプションが出現
  • アクションメニューのカーソルは画面上の任意の場所をタップ/スワイプすることで操作可能
  • メインメニューを開くと強制的ヨコ向き表示になり、メインメニューを閉じると元の向きに戻る
スマホ版VRChat(Android)の基本情報11
クイックメニューボタン長押しでアクションメニューとメインメニューのオプションが出現
スマホ版VRChat(Android)の基本情報12
ジャンプボタン長押しで「伏せ」(左上)と「しゃがみ」(右上)ボタンが出現

制限事項

  • スマホ版VRChat(Android)では、Meta Quest向けに作られたコンテンツが利用可能
  • 各種UIはタテ画面が基準になっているようで、ヨコ画面ではメニューなどの文字サイズが小さく読みづらい。ただしメインメニューはヨコ画面でしか出せない

備考

iPhone(iOS)版は?

 iOS版の開発も2023年4月の段階で発表されています。ただし2023年12月現在、続報はありません。

VRChat公式ドキュメントは?

 Android版に関するVRChat公式ドキュメントはこちら。ただし英語のみです。公式ドキュメントではトラブルシューティングログファイルへのアクセス方法についても記載があります。

余談

 以前書いた、VRChatに対する私見はこちらです。