2021年10月、FacebookがMetaに改称したことをきっかけに、現在もなにかと話題の「メタバース」。メタバースの定義はいまだに定まっていないものの、現時点で「メタバースにもっとも近い」と考えられているもののひとつに「ソーシャルVR」があります。
2022年7月現在、ソーシャルVRの筆頭としてよく挙げられるのはVRChat。ですが、同時にVRChatは推奨動作環境やアプリのUIなど、初心者に対するハードルが非常に高いサービスでもあります(少なくとも現時点では)。
そこで、本記事ではVRChatと同種のサービスである「cluster(クラスター)」を紹介。より多くの人が実際に“メタバース”を体験するきっかけになればと考えています。
「cluster」とは?
clusterは「メタバースプラットフォーム」をうたう国産ソーシャルVR。自身の分身であるアバターで3D空間に入り、イベントやゲーム、ユーザー同士のコミュニケーションなどを楽しむことができます。
リリース当初はVRヘッドセットおよびWindows/Mac向けのサービスでしたが、現在はスマートフォン版(iOS/Android)もあるほか、PC接続不要のスタンドアロンVRヘッドセット「Meta Quest 2」版もあります。いずれもVRChatと比べてプレイ推奨環境がそこまで高スペックでないことも初心者には嬉しいところ。アプリはこちらからダウンロードできます。
clusterで利用できるアバター
メタバースで自身の分身となる「アバター」ですが、clusterでは利用できるアバターにいくつか種類があります。
(1) デフォルトアバター
clusterが公式で用意しているデフォルトアバターが5種類あります。ログイン時に選ぶことができる、もっともお手軽なアバターです。
(2) AvatarMaker(アバターメイカー)
cluster公式のアバター作成システム。後述の「ホーム」内で利用できます。ユーザーが自分でアバターを作ることができ、衣装の着せ替えもできます。が、正直見た目は微妙。今後のブラッシュアップに期待しましょう。
(3) スマホプリ「Reality」とのアバター連携
スマートフォンでライブ配信やコミュニケーションができるアプリ、「REALITY」で作成したアバターをclusterに持ち込むことができます。すでにREALITYを使っている人であれば選択肢のひとつになるでしょう。
(4) VRM形式の3Dアバター利用
clusterではVRMと呼ばれるファイルフォーマットで作成された3Dアバターを使うことができます。VRM形式のアバターを作れるアプリにはVRoid Studio(Windows/Mac)やVRoidモバイル(iOS/Android)があります。
また、VRM形式の3DアバターはBOOTHやVket Storeなどで配布・販売されています。無料のものもあるので、一度覗いてみるとよいでしょう。
その他、AVATARIUM(アバタリウム)やセシル変身アプリで作成した3Dアバターも利用可能ですが、マイナーなので説明は省略。興味がある人は公式サイトの説明を読んでください(他のアバター利用方法についてもすべて解説があります)。
cluster内で利用できる場所
ユーザーがcluster内で活動できる場所(空間)はいくつか種類があります。
(1) ホーム
ユーザーごとに与えられたスペース。前述のAvatarMakerや、ロビーへの入り口などがあります。
(2) ロビー(Cluster Lobby)
ユーザーが集うスペース。交流スペースとしてユーザー同士でコミュニケーションできるほか、人気ワールドやcluster運営のおすすめワールドへの入り口もあります。
(3) ワールド
イベントや展示会が行われるスペース。cluster公式のワールドのほか、企業タイアップのワールド、個人制作のワールドがあります。ワールドによってはゲームが遊べるところも。
(4) マイワールド
clusterの「ワールドクラフト」ツールを使うことで、自分だけのワールド(3D空間)が作れます。作成したワールドは公開して他のユーザーに利用してもらうこともできます。
上級者向けの機能もあり
その他、上級者向けにUnityパッケージ「Cluster Creator Kit」も用意されています。Unityを使い、ワールドクラフトツールで作れるもの以上に手の込んだワールドを作ったり、ゲーム要素のあるワールドを作ることができます。
メタバース体験の入り口としておすすめ
スマートフォンを含めたマルチデバイス対応、国産ならではの日本語対応など、“メタバース初心者”にも取っつきやすいcluster。今後も継続したアップデートが期待できるので、メタバースうんぬんに関わらず、サービスに興味がある人はぜひ一度体験してみてください。
なお、本記事は今後も定期的に改修、または関連記事を追加していく予定です。
※本記事の画像は公式プレスリリース・公式サイト(公式note含む)からの引用 or 筆者自身が撮影したものです。