Steam Frameとは? Valve新型VRヘッドセットのスペック・価格・発売日・特徴

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Steam Frameの技術とゲーム互換性

Steam FrameではARM64環境でSteamゲームを動かすために、Proton、FEX、Leptonなどの互換レイヤーを利用します。さらに、ワイヤレスPC VRを実現するFoveated Streamingなど、Valve独自のソフトウェア技術を組み合わせた構成です。

ここでは、Steam Frameが「Steamのゲームをどう動かすのか」を中心に解説します。

SteamOSとスタンドアロンゲーム

Steam Frameは、SteamOS上でゲームを動かします。

Valveによると、Steam FrameはSnapdragon 8 Gen 3のArm64環境でSteamOSを動作させ、異なるOSやCPUアーキテクチャ向けのゲームを互換レイヤー経由で実行します。

対応方法は大きく、

● Windowsゲーム → Proton
x86ゲーム → FEX
Androidゲーム → Lepton
ARM64ゲーム → ネイティブ実行

という構成です。これがSteam Frameのソフトウェア面における基本的な仕組みです。

Protonとは?

Proton(プロトン)はValveが開発した、Windows向けゲームをSteamOS(Linuxベース)でそのまま動かすための互換レイヤーです。

通常、Windows用に作られたゲームプログラム(.exe)はLinuxでは動作しません。Protonはゲームからの指示をリアルタイムでLinuxが理解できる形式に変換することで、Windows用ゲームを改修することなくLinux上でプレイ可能にしています。

なお、ProtonはSteamクライアントに組み込まれているため、ユーザーが複雑な設定やインストール作業をする必要はありません。

【関連】 SteamハードウェアとProton(Steamworksドキュメント

FEXとは?

Steam FrameのSoCはARM64ですが、PCゲームの多くはx86 / x86-64向けに作られています。

そこで使われるのがFEXです。FEXはx86の32bit / 64bitコードをArm64命令へ変換し、OpenGLやVulkanなどのAPI呼び出しもホスト側のネイティブライブラリへ渡します。こうした仕組みにより、エミュレーションによる処理の負担を抑えています。

たとえばWindowsゲームの場合は、

Windowsゲーム → Proton → FEX → ARM64 / SteamOS

という経路が基本です。Valveは、多くの開発者にとってWindows x86版をProton+FEXで動かす方式が中心になると説明しています。

Leptonとは?

Steam FrameはAndroidゲームにも対応します。そのために使われる互換レイヤーがLeptonです。

LeptonはAndroid向けゲームをLinux上で動かすための仕組みで、コンテナ技術を利用して実装されています。これにより、AndroidゲームをSteam Frame上で動かす際の負荷を抑える設計になっています。

【関連】 adbをLeptonに接続する方法(Steamworksドキュメント

Foveated Streamingとは?

Steam FrameのワイヤレスPC VRを支える技術がFoveated Streaming(フォービエイテッド・ストリーミング、中心窩ストリーミング)です。

一般的なFoveated Rendering(フォービエイテッド・レンダリング、中心窩レンダリング)では、視線が向いている部分を高精細に描画し、それ以外の領域の処理負荷を下げます。

Steam Frameでは、この考え方をPCからヘッドセットへ送るストリーミング映像のビットレート配分にも利用します。

アイトラッキングによってユーザーの視線を把握し、見ている場所に高品質なデータを多く割り当て、それ以外の領域を圧縮することで、限られた無線帯域を効率的に利用するのがFoveated Streamingです。

Foveated Streamingではストリーミング側で視線情報を利用できるので、ゲームそのものをFoveated Rendering対応にしなくてもよいという特徴があります。

ワイヤレスPC VRの仕組み

ValveはSteam FrameをPCからの低遅延ストリーミングを主要用途とするデバイスとして位置付けています。

PCとSteam Frameの接続には、付属の6GHz Wi-Fi 6Eワイヤレスアダプターを使います。自宅のWi-Fiを経由するストリーミングも可能ですが、専用アダプターによる直接接続は混雑や信頼性の面で有利です。

なお、Steam Frame本体はWi-Fi 7の2×2無線を搭載しています。本体の一般的な無線通信にはWi-Fi 7、PC VRストリーミングには専用6GHz Wi-Fi 6Eを使えます。

DisplayPortを搭載しない理由

Steam FrameにはDisplayPortによる有線映像入力がありません。これはValveが従来型の有線PC VRよりもワイヤレスPC VRを中心に設計したためです。

専用6GHz無線アダプター、低遅延ストリーミング、Foveated Streamingなどを組み合わせることで、ケーブルを使わずPC VRを利用することを狙っています。VALVE INDEXなどのDisplayPort接続型VRヘッドセットとは、PCとの接続方式そのものが異なります。

Steam Frame Controllers

Steam Frameには専用コントローラー「Steam Frame Controllers」が付属します。

Valveによると、標準的なゲーム機用コントローラーの機能に加えて、タッチ状態の検知、グリップボタン、静電容量式フィンガートラッキング、6DoF空間トラッキングを備えています。さらに、非VRゲームではSteam Inputを利用し、ゲームによっては汎用ゲームパッドと同じように操作することが可能です。

Steam Frame Standalone Verifiedとは?

Steam Frameでは、ゲームがヘッドセット単体で適切に動作するかを評価する「Standalone Verified」制度が導入されています。

ここで重要なのは、PCからゲームをストリーミングした場合ではなく、Steam Frame上でゲームをローカル実行した場合の評価だということです。Valveの基準では、

● 2Dタイトル:1280 × 720で最低30fps
● VRタイトル:1728 × 1728で最低72fps

がパフォーマンスの基本的な最低ラインです。また、性能だけでなく、コントローラー対応、UIの可読性、ゲーム起動時のシームレスさなども評価対象となっています。

Steam Frameで遊べるゲーム

Steam FrameでSteamゲームを遊ぶ方法は、大きく2つあります。

1. PCからストリーミングする

PC側でゲームを起動し、その映像をSteam Frameへ送信します。この場合はPCのCPU・GPUを使うため、Steam Frame単体の性能による制約を受けにくくなります。

2. Steam Frame単体で実行する

SteamOS上でゲームを直接実行します。ただし、すべてのSteamゲームがスタンドアロンで動作するわけではありません。ゲームによって必要な互換レイヤーや性能が異なるため、Standalone Verifiedがひとつの目安になります。

Steam Frame発売までの経緯

Steam Frameは2025年11月に正式発表され、当初は2026年初頭に発売予定とアナウンスされていました。

その後、部品価格や供給状況の変化によって発売計画が見直され、2026年6月にはあらためて「2026年夏に出荷する」と発表。最終的に2026年9月14日(米国時間)に価格発表&予約開始となりました。

ここではSteam Frameが登場するまでの経緯や、VALVE INDEX、Meta Quest 3との違いを整理します。

Steam Frame発売までのタイムライン

2019年のVALVE INDEX登場から、Steam Frameが登場した2026年までのざっくりしたタイムラインは以下のとおりです(日時は米国基準)。

2026年

 Steam Frame価格発表&販売開始

 SteamVR 2.17更新

 互換レイヤー「Lepton」「FEX」がSteamで公開

 Steam Frameが米FCC認証を取得

 Steam Frameコンテンツ用のストアランディングページを公開

 Steam Machine 発売

 Steam Machine Verified / Steam Frame Standalone Verified正式発表

 Steam Frame / Steam Machineを今夏発売予定と発表

 Steam Controller 発売(日本は5/5)

 「Steam Frame Standalone Verified」の要件を発表

 新製品を2026年内に発売予定と発表

 新製品の発売日を2026年上半期に変更すると発表

2025年

 STEAM FRAME / Steam Machine / Steam Controller正式発表

 Valveが「STEAM FRAME」を米国で商標登録出願

 【参考】 Bigscreen Beyond 2 発売(2eは6月)

2024年

 【参考】 Meta Quest 3S 発売

 【参考】 PICO 4 Ultra 発売(日本)

 【参考】 Apple Vision Pro 発売(日本は6/28)

2023年

 【参考】 Meta Quest 3 発売

 【参考】 Bigscreen Beyond 発売

 【参考】 PlayStation VR2(PSVR2) 発売

2022年

 【参考】 PICO 4 発売(日本)

2021年

 コードネーム「Deckard」が見つかる

2020年

 『Half Life: Alyx』発売

2019年

 VALVE INDEX 日本発売

 VALVE INDEX発売

 

Steam FrameとVALVE INDEXの違い

Steam FrameはVALVE INDEXを単純に高性能化した製品ではなく、ワイヤレスPC VRとスタンドアロンゲームを一体化した、VALVE INDEXとはまったく異なる設計のVRヘッドセットです。

VALVE INDEXはすでに7年前のVRヘッドセットなので、もはや「買い替えるかどうか」という悩みは生じないと思いますが、両者の設計思想の違いは理解しておいたほうがよいでしょう。

 Steam FrameVALVE INDEX
発売2026年予定2019/6/28(日本は11/28)
スタンドアロン×
PC VR
PC接続ワイヤレス中心(有線も可)有線接続(DisplayPort)
トラッキングインサイドアウトSteamVR Base Station
OSSteamOSPC依存
解像度片目あたり2160 × 2160片目あたり1440 × 1600
アイトラッキング×
DisplayPort×
重量約440g約809g

Steam FrameとMeta Quest 3の違い

Steam FrameとMeta Quest 3はいずれもスタンドアロンVRとPC VRを扱えるため、比較対象になりやすい製品です。ただし、両者が重視する部分は異なります。Steam Frameでは

  • SteamOS
  • SteamVR
  • OpenXR
  • Proton/FEX/Lepton
  • Steamライブラリ

を中心に設計されています。

一方、Steam Frameはカラーパススルーを採用せず、専用6GHz無線とFoveated StreamingによるPC VRを大きな特徴としています。

そのため、「どちらが高性能か」という単純な性能比較よりも、「Steamゲームを中心にプレイするのか」「Meta Horizonストアのライブラリ資産を活用するのか」「MR用途も重視するのか」などで適性を考えるべきです。

Steam Frameのメリット・デメリット

メリット

  • SteamOSによるスタンドアロン動作
  • PCからSteamライブラリをワイヤレスでストリーミング
  • VR・非VRゲームの両方に対応
  • アイトラッキング搭載
  • 専用6GHz Wi-Fi 6Eアダプター同梱
  • Foveated Streaming
  • FEXによるx86ゲーム対応
  • LeptonによるAndroidゲーム対応

デメリット・注意点

  • DisplayPortによる有線PC VRに非対応
  • パススルーはモノクロ(※)
  • スタンドアロン互換性はゲームによって異なる
  • バッテリー駆動が必要
  • Meta QuestやPICOのソフトウェア資産が活かせない

※サードパーティ製のカラーパススルーカメラ「Arcturus Vision Camera」が発売されている。

Steam Frameはどんな人におすすめ?

Steam Frameは、Steamを中心にゲームをプレイしているPCユーザーに特に向いていると言えます。特に、

  • PC VRをワイヤレスでプレイしたい
  • VRゲームだけでなく通常のPCゲームも遊びたい
  • Steam DeckなどSteamOSの考え方に馴染みがある
  • Steamライブラリを一つのデバイスで利用したい
  • VRヘッドセットに10万円以上投資できる

というユーザーとは相性が良いでしょう。一方、

  • VR/MRヘッドセットに十数万円も投資できない
  • カラーパススルーやMR(Mixed Reality)も重視する
  • DisplayPortによる有線接続を利用したい
  • 外部ベースステーションを使ったVR環境を継続したい

というユーザーは、Steam Frame以外の選択肢も検討したほうがよいでしょう。

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(参考: ValveKOMODO

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