
Valveの「Steam Frame」は、SteamのゲームをVR空間で楽しむために開発されたVRヘッドセットです。SteamOSとSnapdragon 8 Gen 3を搭載したスタンドアロン型デバイスでありながら、SteamライブラリのゲームをPCから低遅延でストリーミングもできるのが特徴です。
ValveはSteam FrameをVRゲーム専用機ではなく、VR・非VRを問わずSteamゲームを利用するためのデバイスとして位置付けています。
Steam Frameを理解するうえで重要なのが、SteamOSやFEX、Lepton、Foveated Streamingといったソフトウェア技術です。本記事では、スペックだけでは分かりにくいこれらの仕組みも含めて整理します(最終更新:2026/9/15)。
もくじ 開く
- Steam Frameとは?
- Steam Frameのスペック
- Steam Frameの主な特徴
- Steam FrameはVALVE INDEXの後継機?
- Steam Frame FAQ
- Steam Frameの技術とゲーム互換性
- SteamOSとスタンドアロンゲーム
- Foveated Streamingとは?
- ワイヤレスPC VRの仕組み
- DisplayPortを搭載しない理由
- Steam Frame Controllers
- Steam Frame Standalone Verifiedとは?
- Steam Frameで遊べるゲーム
- Steam Frame発売までの経緯
- Steam FrameとVALVE INDEXの違い
- Steam FrameとMeta Quest 3の違い
- Steam Frameのメリット・デメリット
- Steam Frameはどんな人におすすめ?
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Steam Frameとは?
Steam Frameは、Valveが開発するスタンドアロン型VRヘッドセット。2026年9月14日(米国時間)より、抽選による予約受付方式で販売が始まりました(当選メールの発送は9月18日)。
ValveのSteamworks資料では、PC上のSteamライブラリを低遅延でストリーミングすることを主要用途としつつ、ヘッドセット単体でもVR・非VRのゲームを実行できるデバイスと説明されています。Steam Frameには、
(1)PCからゲームをストリーミングする
(2)Steam Frame単体でゲームを動かす
という2つの使い方があります。後者を実現するため、ヘッドセットにはSnapdragon 8 Gen 3と16GB RAM、SteamOSが搭載されています。この構成によって、ValveはPC VRとスタンドアロンVRの機能を両立しています。
Steam Frameのスペック
Steam Frameの製品スペックは以下の表のとおりです。
| SoC | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3 |
| CPUアーキテクチャ | ARM64 |
| OS | SteamOS |
| ディスプレイ解像度 | 4320 × 4320px(片眼2160×2160)、LCD×2 |
| リフレッシュレート(Hz) | 72〜120 Hz(試験的に144 Hzモードあり) |
| レンズ(光学系) | パンケーキレンズ (カスタム) |
| 視野角(FOV) | 水平110° / 垂直110° |
| 瞳孔間距離(IPD)調整 | 60㎜~70㎜(手動ダイヤル調整) |
| レンズ位置調整 | (確認中) |
| RAM | 16GB LPDDR5X |
| ストレージ | 256GB / 1TB (UFS) ※microSDカードスロットあり(最大2TB) |
| ヘッドトラッキング方式 | インサイドアウト |
| パススルー機能 | ○(モノクロ) |
| アイトラッキング | ○ |
| フェイストラッキング | × |
| 深度センサー | × |
| 内蔵スピーカー | ステレオ |
| 内蔵マイク | ○ |
| 内蔵カメラ | ・ 外向き4基 ・ 内向き2基(アイトラッキング用) |
| 入力方式 | コントローラー / ゲームパッド(Bluetooth接続) |
| コントローラー | Steam Frame Controllers (指検知センサー搭載) |
| コントローラートラッキング方式 | ヘッドセット内蔵カメラによるトラッキング |
| ネットワーク | ・ Wi-Fi 6E / 7、2×2(ヘッドセット⇔PCストリーミング専用) ・ Wi-Fi 2.4 GHz / 5 GHz(一般接続) ・ Bluetooth 5.3(周辺機器接続・オーディオ対応) |
| 接続端子 | USB-C |
| バッテリー容量 / 駆動時間 | 21.6Wh / 未公開 |
| 重量 | ・ 本体約440g(バッテリー・ストラップ含む) ・ コア部:約185g |
| 拡張性 | MIPI 2.5 Gbps+PCI Express 4.0 x1拡張ポート |
| 発表日 | 2025年11月12日(米国時間) |
| 発売日 | 2026年9月14日(米国時間、抽選による予約受付) |
| 価格 | 19万9980円(256GB) 24万4980円(1TB) |
Steam Frameの主な特徴
SteamOSを搭載
Steam FrameはSteamOSを搭載しています。ValveがSteam Deckで培ったSteamOSのゲーム環境を、VRデバイスにも持ち込みました。
Steam FrameはLinuxベースのSteamOS上で動作し、Windows/Linux/Android/ARM64向けの異なるソフトウェアを扱えるよう、複数の互換レイヤーを備えています。この仕組みについては次のページでくわしく解説します。
Snapdragon 8 Gen 3と16GB RAM
Steam FrameはSoCにクアルコム(Qualcomm)のSnapdragon 8 Gen 3を採用。CPUアーキテクチャはARM64で、RAMは16GB LPDDR5Xです。ゲームやアプリをスタンドアロンで実行する際には、このSnapdragon 8 Gen 3が処理を担当します。
Steam Frameでは、ProtonやFEX(後述)などの互換レイヤーを使ってPCゲームをARM64環境へ適応させます。
2160 × 2160のデュアルLCD
ディスプレイは左右それぞれ1枚のLCDを搭載し、解像度は片目あたり2160 × 2160ピクセルです。レンズはValve独自のパンケーキレンズを採用し、最大110度の視野角を実現。IPD(瞳孔間距離)の範囲は60~70mmとなっています。
リフレッシュレートは72~144Hzまで対応。ただし144Hzは実験的な設定という扱いです。ValveのSteamworks資料では、アプリ側から72Hzを基準に90Hz、120Hzなどの推奨設定を指定できる仕組みも用意されています。
インサイドアウトトラッキング
Steam Frameのトラッキングシステムは、外部ベースステーションを必要としない「インサイドアウト方式」(Inside-Out)を採用。
外向きのモノクロカメラ4基がヘッドセットとコントローラーのトラッキングに使われ、内部のカメラ2基はアイトラッキングなどに利用されます。また、暗所での追跡を補助する赤外線センサーも搭載しています。
アイトラッキング
Steam Frameにはアイトラッキング機能が搭載されています。
アイトラッキングは視線入力だけを目的としたものではありません。Valveは視線情報をFoveated Streaming(後述)に利用し、PCから送信する映像の帯域を効率化する設計を採っています。
モノクロパススルー
Steam Frameはビデオパススルーに対応しますが、外向きカメラはモノクロです。そのため、Meta Quest 3やPICO 4のようなカラーMR(Mixed Reality)を中心とするデバイスとは方向性が異なります。
Steam Frameは、現実空間とバーチャル空間を融合するMRよりも、SteamゲームをVR空間で楽しむことを重視した設計のVRヘッドセットです。
なお、Steam Frame発売に合わせてサードパーティーからカラーパススルー機能を追加する外部アクセサリーが登場しています。
Steam FrameはVALVE INDEXの後継機?
Steam FrameはVALVE INDEX以来の新しいVRヘッドセットですが、Valveは公式に「VALVE INDEX 2」や「VALVE INDEXの後継機」という名称を使っていません。
VALVE INDEXはPCとDisplayPortで接続するPC VRヘッドセットでした。一方、Steam FrameはSteamOSによるスタンドアロン動作とワイヤレスPC VRを中心に設計されています。両者は同じValve製VRヘッドセットではあるものの、製品コンセプトは大きく異なります。
Steam Frame FAQ
Steam Frameとは何ですか?
Valveが開発するスタンドアロン型VRヘッドセットです。PCからSteamライブラリを低遅延でストリーミングできるほか、対応ゲームはSteam Frame単体でも実行できます。
Steam FrameにはPCが必要ですか?
必須ではありません。SteamOSとSnapdragon 8 Gen 3を搭載しているため、対応しているゲームであればヘッドセット単体で実行できます。PCがあればゲームをストリーミングする使い方にも対応可能です。
Steam Frameの発売日はいつですか?
2026年9月14日(米国時間)。ただし即日販売開始ではなく、抽選による予約受付方式です。予約結果は9月18日に通知予定。日本での発売日は9月15日(日本時間)から。米国とは異なり、先着順で販売開始されました。
Steam Frameの価格はいくらですか?
ストレージ256GBモデルが1059ドル、同1TBモデルが1299ドル。
日本での販売価格は256GBモデルが19万9980円、1TBモデルは24万4980円です。
Steam Frameの日本販売元は?
日本での販売はKOMODO STASIONが窓口です。Steam Frameの製品ページはこちら。
Steam FrameはVALVE INDEXの後継機ですか?
Valveは公式に「VALVE INDEXの後継機」とは表現していません。VALVE INDEXとは異なり、SteamOSによるスタンドアロン動作とワイヤレスPC VRを中心に設計されています。
Steam FrameはPC VRに対応していますか?
対応しています。専用の6GHz Wi-Fi 6Eワイヤレスアダプターを使用してPCと接続できます。ValveはPCからの低遅延ストリーミングを主要用途としています。
Steam FrameにDisplayPortはありますか?
ありません。ValveはDisplayPortによる有線PC VRではなく、ワイヤレスストリーミングを中心に設計しています。
Steam Frameの解像度は?
片目あたり2160×2160ピクセルです。
Steam Frameのパススルーはカラーですか?
いいえ。外向きカメラによるモノクロパススルーです。ただし、サードパーティ製のカラーパススルーアタッチメントが本体と同時に発売されました。。
Steam Frameは144Hzに対応していますか?
対応しますが、144Hzは実験的モードです。通常のリフレッシュレートは72~120Hzです。
Steam FrameですべてのSteamのゲームを遊べますか?
PCからストリーミングする場合と、Steam Frame単体で実行する場合では異なります。スタンドアロンではゲームごとに互換性が異なり、ValveがStandalone Verified制度で評価しています。
Steam Frame Standalone Verifiedとは?
Steam Frame単体でゲームを実行した場合に、性能、コントローラー互換性、UIなどが適切かどうかをValveが評価する仕組みです。VRタイトルの基本パフォーマンス基準は1728×1728で72fps、2Dタイトルは1280×720で30fpsです。
FEXとは何ですか?
ARM64のSteam Frame上でx86/x86-64向けゲームを実行するための変換レイヤーです。WindowsゲームではProtonと組み合わせて利用されます。
Leptonとは何ですか?
AndroidゲームをLinux/SteamOS環境で実行するための互換レイヤーです。コンテナとして実装されています。
