暗号資産にフォーカスしたWebブラウザ「Opera Crypto Browser」の使いかた

Opera Crypto Browserとは

 Webブラウザ「Opera」で知られるOpera Software。同社ではOperaの名を冠したWebブラウザを複数開発・提供していますが、その中でも暗号資産(Cryptocurrency)にフォーカスしたWebブラウザが「Opera Crypto Browser」です(Windows / Mac / Android / iOS)。

 2022年1月にベータ版としてリリースされたOpera Crypto Browserは、広告ブロッカーや無料VPNなどOperaシリーズ共通の便利機能を搭載しつつ、暗号資産(NFT含む)の取り扱いに特化した機能も搭載しています。本記事ではそんなOpera Crypto Browserについて紹介していきます。

注意

本記事は暗号資産やNFTの購入を勧めるものではありません。なお、本記事は未完成で、現時点では暗号資産に関する記載はほとんどありません。

ブラウザのカスタマイズ

 暗号資産関連の機能が充実しているOpera Crypto Browserですが、私自身、暗号資産やNFTにまだほとんど手を出していません。ので、現時点で本記事はOpera Crypto Browserのカスタマイズのヒント集になります。

サイドバーの設定

 Opera Crypto Browserの特徴のひとつに「サイドバー」があります。サイドバーにはブラウザの各種機能やSNS等へのショートカットを置くことができ、使いこなせばWeb閲覧の効率を上げることができます。サイドバーはカスタマイズ可能で、好きな機能だけをセレクトできるほか、サイドバーそのものを非表示にすることもできます。

 サイドバーの設定はサイドバー最下段にある「サイドバー設定」(三点アイコン、上記写真の赤枠)のほか、同じくサイドバーにある「設定」(歯車アイコン)→基本設定からも設定可能です。

 Opera Crypto Browser独自の機能としては以下のものがあります。

・Opera Wallet(ブラウザ内蔵の暗号資産ウォレット。後述)
・マイFlow(スマホ版Operaとデータ送受信ができる)
・Crypto Corner(暗号資産・NFT・DAO関連の情報まとめ)
・Nansen Portfolio(ポートフォリオ管理ツール。アイコンではApe Boardと表示)
・Pinboard(ローカル版Pinterstのようなもの)


 Crypto Cornerは英語かつ海外情報が中心なので、暗号資産関連情報を本格的に追っていないのであれば非表示でもよいと思います。
 Nansen Portfolio(Ape Board)は暗号資産ポートフォリオを一括管理できるツールですが、後述するOpera Walletの問題もあり、日本のユーザーにはあまり意味がないかもしれません。

 一方、ブラウザでもよく見られるものとしてはスピードダイヤルやパーソナルニュースなどがあります。SNSショートカットではTwitter/Facebook Messanger/Instagramなどに加え、トップにDiscordがあるのがややWeb3っぽい感じです。なお、Discordについてはデスクトップ版アプリがインストールされているとそちらの利用を勧められます。

壁紙の設定

 他のブラウザにもある壁紙設定ですが、Opera Crypto Browserではサイドバーの設定(歯車アイコン)→基本設定と進んだところにあります。デフォルトで複数の壁紙があるほか、「壁紙をさらに表示」のリンクから多数の壁紙をダウンロードすることもできます。

その他

 その他、設定では他のブラウザにもあるような細々とした項目もカスタマイズ可能です。Operaシリーズっぽいところでは「広告ブロッカーの詳細設定」「WebRTCの設定」「VPNの詳細設定」などがあります。

Opera Walletの使いかた(結論:使えない)

 Opera Crypto Browser最大の特徴は、暗号資産ウォレット「Opera Wallet」を内蔵していることです。さらに、暗号資産ウォレットでは最大手の「MetaMask」とOpera Walletを切り替えて使える「Wallet Selector」も実装しています(※筆者の環境では確認できず)。

 暗号資産ウォレットがブラウザに内蔵されているのは使い勝手が良さそうです。しかしこのOpera Wallet、暗号資産の購入にMoonPayという決済サービスを使う必要があるのですが、そのMoonPayは2021年7月に日本からサービス撤退しています。ので、現時点では

・MoonPay以外の決済サービスが採用されるのを待つ
・Wallet SelectorでMetaMaskを使う(※機能未確認)
・ブラウザ機能拡張版のMetaMaskを使う(Opera Crypto Browserを使う意味……)


 しかありません。ということで、Opera Walletについては何か進展があったらあらためて記述することにします。はい解散。

結局、Opera Crypto Browserはどう使えばいいのか?

 残念ながら2022年10月時点の日本では、Opera Crypto Browserはその本領を発揮できません。内蔵の暗号資産ウォレットがフル機能を利用できるようになるまでは、

・広告ブロック機能を標準搭載していて(PC/スマホ)
・VPN機能を標準搭載していて(PC)
・サイドバーをカスタマイズできて(PC)
・あえてメジャーでないブラウザを使うことで個性(?)を主張できる


ブラウザとして細々と使っていくのがよさそうです。前出のマイFlowやPinboardsなどは人によっては便利に使えそうではあります。あるいは単純に、特定分野のコンテンツにアクセスするときだけ使うセカンドブラウザ的な立ち位置に据えるのもよいでしょう。

【余談】Operaシリーズの広告ブロック機能について

 Operaシリーズには広告ブロック機能が標準搭載されています(Opera Crypto Browserではブラウザのツールバー「設定」で設定可能。スマートフォン版は設定の「Browser settings」から。PC版/スマートフォン版ともデフォルトでは機能オンになっている)。

 スマートフォン用のWebブラウザで広告ブロック機能を標準搭載しているものは意外と少なく、広告ブロックできるものでも設定が面倒だったり、Webブラウザそのものの開発元が怪しかったりするのがデメリットです。既存ブラウザと外部連携するタイプの広告ブロックアプリも複数ありますが、これらもまた信頼性に難があります。その点、Operaシリーズは信頼と実績があるので比較的安心して導入できるでしょう。

 2020年10月に角川アスキー総研が実施した調査によると、スマホでコンテンツを視聴する際のデータ転送量のおよそ4割は広告です(調査対象サイトの平均)。広告ブロック機能でその4割を完全にカットできるわけではないですが、「ギガが減る」ことに敏感だったり、利用している通信サービスの回線速度が遅かったりで、かつWebブラウジングはスマホがメインという人にはメリットが大きいでしょう。

 スマホ単体でも広告ブロック機能を持つブラウザとしては他に「Vivaldi」もあります(PC版、Android版のみ。iOS版は現在開発中)。Vivaldiは広告をブロックして空いたスペースを自動で詰めてくれるので、ページ閲覧だけを考えるならこちらのほうが便利かもしれません。