「PortalVR Motion」スタートガイド:ヘッドセット不要でSteamVRを遊ぶ

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「PortalVR」が進化!iPhoneとジョイコンで疑似VR体験

アイキャッチ:PortalVR Motionの使い方
(画像:PortalVR Motion公式サイト)

「VRゲームで遊んでみたいけど、VRヘッドセットを持っていない」「持ってはいるけど、いちいちかぶるのが面倒」など、VRコンテンツを遊ぶには今でもまだちょっとしたハードルがあります。

その課題の解決策のひとつだった「PortalVR」が、新たに「PortalVR Motion」に進化して登場しました。

本記事ではPortalVR Motionについて、基本的な仕組みから導入方法、実際にSteamVRコンテンツを遊ぶまでの流れを解説します。

「PortalVR Motion」とは?

PortalVR Motion turns VR into Wii-style gaming, bringing natural motion controls to thousands of VR games and creative apps on SteamVR — using your Joy-Con controllers and the iPhone you already own.

(PortalVR MotionはVRをかつてのWiiのようなプレイスタイルへと様変わりさせます。すでにお持ちのiPhoneとジョイコンを活用することで、SteamVR上の数千ものゲームやアプリで直感的なモーション操作が可能になります)。

PortalVR Motion

PortalVR Motion公式サイトでは上記のように説明しています。

つまり、『Beat Saber』や『Half-Life: Alyx』、『VRChat』などをはじめとする6000以上のSteamVRタイトルが、VRヘッドセットなし&特別な改造なしで、ニンテンドースイッチのジョイコンをコントローラーにして遊べるようになるというわけです。

旧PortalVRとの違い

旧PortalVRがMeta QuestやPICOヘッドセットを机に置いて使う方式だったのに対し、PortalVR MotionはiPhoneの深度カメラ とニンテンドースイッチのジョイコン(Joy-Con)で6DoFトラッキングを実現。Wiiのように立ったまま/座ったまま、手元だけ動かしてVRコンテンツをプレイできます。

PortalVR Motionと旧PortalVRの違いは以下のとおり。なお、PortalVR Motionには旧PortalVRと同じくVRヘッドセット+コントローラーで動かすモードもあるので、旧PortalVRから乗り換える人も安心です。

新旧PortalVR比較

PortalVR Motion旧PortalVR
トラッキング方法iPhone FaceID(前面)またはLiDAR(背面)Meta Quest / PICO を机に置き、内蔵カメラでコントローラーをトラッキング
必要機材ヘッドセット不要。iPhone + ジョイコンのみVRヘッドセット必須
対象ユーザー一般ゲーマー/配信者/VR開発者VR開発者・展示用途/一般ゲーマー

対応タイトルは?

PortalVR MotionはSteamVR側からは「標準トラッキングコントローラー」として見えるため、基本的にすべてのSteamVRタイトルがプレイできます。ただし画面は2Dなので、タイトルによって相性があります。

プレイ可能なタイトルとして、PortalVR Motion公式サイトでは以下を挙げています。少なくともこれらのタイトルは動作確認済み&ちゃんと遊べると考えてよいでしょう。

PortalVR Motion対応VRタイトル(例)

【ゲーム】
VRChat/The Lab/Space Pirate/EmuVR/Half-Life: Alyx/BeatSaber(ビートセイバー)

【アプリ】
Gravity Sketch/3D Organon/Google Earth(グーグルアース)/Open Brush/Arkio

公式サイトではさらに「PortalVR Motionで遊ぶのにおすすめのタイトル」もまとめています。こちらは今後さらに追加・整理されていくようなので、ブックマークしておくとよいかもしれません。

PortalVR Motionに必要なもの

PortalVR Motionで遊ぶためのデバイスの組み合わせは大きく2種類あります。

1:iPhone+ジョイコン

PortalVR Motion(iPhone+ジョイコン)
(画像:PortalVR Motion公式サイト)
  • FaceID搭載iPhone(X以降)
  • ジョイコン1またはジョイコン2
  • Windows PC

PortalVR MotionはiPhoneとジョイコンでプレイするのが基本です。

iPhoneはFaceIDを搭載しているiPhone X以降が必要。ジョイコンは地磁気センサーを搭載しているジョイコン2(Joy-Con 2)が推奨されています。

Windows PCはSteamVRが動くスペックが条件ですが、最新のVRゲームは要求スペックも上がっているので、高性能であればあるほどよいのは言うまでもありません。

2:VRヘッドセット+コントローラー

PortalVR Motion(VRヘッドセット+コントローラー)
(画像:PortalVR Motion公式サイト)
  • Meta Quest 2/3/Pro または PICO 4(開発者モードON)
  • Windows PC(Portalと同じ)
  • USB 3.0ケーブル

旧PortalVRと同じ構成。コントローラーはMeta QuestやPICO 4同梱のものでOKですが、INDEXコントローラーも利用可能です。

PortalVR Motionの初期設定

PortalVR Motionの初期設定は以下の手順で行います。Windows PCにはあらかじめPortalVR Motionをインストールしておいてください。最初は無料トライアル版(free trial)でOKです。

PortalVR Motion・無料ダウンロードの場所
(画像:PortalVR Motion公式サイト)

1. iPhone+ジョイコンの場合

  1. iPhoneを設置
  2. ジョイコンをWindows PCとペアリング
  3. SteamVRを起動

iPhoneの設置にはスマホスタンドがあると便利。カメラは顔ではなく、手元を向くように置くのがポイントです。部屋の照明は明るくし、ジョイコンのトラッキングが途切れないようにします。

ジョイコンのペアリングはWindowsの設定 → Bluetoothから。対象機器に「Joy-Con (L)」「Joy-Con (R)」が出てきたらそれを選んでください。

ちなみに、iPhone+ジョイコンの組み合わせでは指トラッキングもできるようです(精度は不明)。VRChatなどでかなり役立つでしょう。

ジョイコンでの指トラッキングの様子
『Half-Life: Alyx』で指トラッキングしている様子(画像:YouTube

2. VRヘッドセットの場合

  1. VRヘッドセットをWindows PCとUSB接続
  2. コントローラーを起動
  3. SteamVRを起動

旧PortalVRと同じスタイルです。

注意点は、Windows PCとヘッドセットをつなぐUSBケーブルは給電用のUSB Type-C to Cではなく、データ転送用のUSB Type-A to Cが必要なこと。また、Meta Questの場合はモバイルアプリを通じて「開発者モード」をオンにしておく必要があります。

新機能「カメラドラッグ」

従来のPortalVRは視点操作にやや難がありましたが、PortalVR Motionには「カメラドラッグ(Camera Drag)」機能があり、視点操作がしやすくなりました。

カメラドラッグ機能により、遠くのオブジェクトを「つかんで引き寄せる」感覚で操作できます。配信でカメラアングルを決めたい場合にも有効です。カメラドラッグの実際の動作は公式サイトにある動画で確認できます。

PortalVR Motion・カメラドラッグ機能
カメラドラッグ機能を使っているところ(画像:PortalVR Motion公式サイト)

3Dディスプレイ「Samsung Odyssey 3D」にも対応

PortalVR Motionはサムスンの3Dディスプレイ(裸眼立体視ディスプレイ)「Samsung Odyssey 3D」にも対応。完全なVRではありませんが、平面ディスプレイよりも没入感のあるゲームプレイが楽しめます。

料金プランは?

PortalVR Motionは基本的に有料のアプリです。まずは無料版で試してみて、気に入ったら有料版の購入を検討しましょう。無料版はプレイ時間に制限があるものの、機能は有料版と同じです(登録も不要)。

なお、有料版には個人向け(Personal)と商用向け(Commercial-Use)があります。YouTube Liveなどで配信を行う場合は、個人向けではなく商用向けが必要な点には注意が必要です(ゲームの配信規約も)。

個人向けと商用向けライセンスの違い

個人版商用版
価格29.99ドル(買い切り)年額39.99ドル
インストール台数最大3PC最大3PC
備考個人利用のみ。ゲーム配信には利用不可配信を含むビジネス向け。7日間の無料トライアルあり

ユーザーの反応は?

PortalVR Motionの開発者であるgfodor.id氏のX投稿にはさまざまな声が寄せられています。「VRコンテンツを遊ぶ選択肢が増えるのはいいことだ」「こんなのはVRじゃない」など賛否両論ですが、筆者自身はもちろん前者の考えです。

PortalVR Motion・こんな人におすすめ

PortalVR Motionは例えば以下のような人におすすめです。

● VRヘッドセットをかぶるのが面倒
● VR酔いしやすい
● VRゲームをYouTube Liveなどで配信したい
● VR開発者
● VRヘッドセットをかぶらずにVRChatをしたいがスマホ版よりはリッチな体験がしたい
● Samsung Odyssey 3Dを持っている

まずは無料トライアルで体験

iPhone+ジョイコン+SteamVRが快適に動くWindows PCが必要と、実はそこまで手軽ではないPortalVR Motion。ですが、逆にそれらをもう持っているのであれば、VR/MRヘッドセット購入前の選択肢としては悪くないはずです。

すでにMeta QuestやPICOを持っている人であれば、「今日はちょっとヘッドセットをかぶるのが面倒だな」というときの代替ツールになりますし、旧PortalVRユーザーなら言うまでもなくよい乗り換え先になります。

いずれにせよ、まずは無料トライアル版からスタートして、気に入ったら有料版の購入を検討するのがよいでしょう。


(参考・出典:PortalVR Motion