フレア&アンブレ、デュオでVTuberに挑戦 【翻訳転載】

Note

 本記事は海外のVTuber専門Webメディア「VTuber NewsDrop」の記事を、許諾を得て翻訳・転載したものです。


フレア&アンブレ、デュオでVTuberに挑戦

フレアとアンブレはもう何年も一緒に配信活動をしている。VTuber活動は二人にとって、絆を深めるための新たなメディアとなった。

By Andrew Amos (2023/8/19)

 二人組のVTuberがにわかに注目を集めている。しかし、フレアアンブレ(Flare&Umbre)はもう何年も前からその先頭に立ち続けている。二人は9年間一緒にいて、4年間一緒に配信活動をしている。だからさまざまなことを何度も経験済みだ。

 ただし、二人の現在の関係は必然だったわけでもない。実際に二人が一緒になるには、少しの幸運と、オンラインアクションゲーム『Warframe』での運命的な出会いが必要だった。

 「野良のプレイヤーと一緒に何ゲームか遊んでいるとき、ロビーに入ってきた一人にUmbreonGirlっていうプレイヤーがいたんだ」とFlareは振り返る。

 「僕はまだ使い始めたばかりの新キャラでプレイしてたせいでずっとミスりまくっていて、彼女はそれをずっと見てたんだ。僕はミスり続けて、そのたびに彼女が生き返らせてくれた。で、プレイ後に僕が言ったんだ。『スペシャルアイテムとかが手に入る無料キーを持ってるんだ。一緒にプレイしないか?』ってね」。

 「そのとき彼女はボーイフレンドも連れて来てたんだ」と彼は笑う。「僕らはそこで友達になったんだけど、2年後には(3人の間は)いろいろと上手くいかなくなった。それからは僕と彼女、2人でいるのが普通になったんだ」。

 二人と話していると、彼らの相性の良さや、二人がお互いの良さを引き出し合っていることに気づく。

 たとえば(今回のインタビューで)配信を始める前、フレアはたいてい控えめで、考え込むそぶりを見せていた。次々と冗談を言って自分自身や周囲の人々を楽しませようとする、おしゃべりなアンブレとは対照的だ。

 そうしたお互いのちょっとした違いをフレアが理解していたことも、二人で配信を始めることにした理由のひとつだった。配信は当初、アンブレのプロジェクトとして始まった。彼女はそれまで数年間、顔出しの配信者として自分の好きなようにゲームをプレイしながら配信をしていた。

 「彼女はゲーム中ずっとしゃべりっぱなしで、配信者としては完璧だと思うから、僕はそれをちょっと後押ししただけさ」とフレアは言う。「ふだんと同じように自然に話すんだ。だから彼女はすごい配信者になるだろうなと思ったんだ」。

 「『オーバーウォッチ』や『デッド・バイ・デイライト』(DbD)をプレイしているわ。もしかしたら私のトークが“なんか怒ってるように聞こえる”って人もいるかもね。でも違う。私たちはもうわかってるんだけど、私がただおしゃべりなゲーマーなだけなのよね」とアンブレは笑う。

 フレアもたまに配信に参加したり、ときにはアンブレから配信を引き継いだりすることもあったが、彼自身はライブ配信を自分のスタイルとは考えていなかった。彼はショート動画や、まったくジャンルの違うバックヤードレスリングのようなエンタメのほうに慣れていた。

 しかし、フレアが配信日数をもっと増やしたいと言い始めたことで双方の配信スケジュールがきつくなってきたため、二人はそれを共同プロジェクトにすることを考え始めた。

 アンブレが「UmbreonGirl」(※Umbreon=『ポケモン』に登場するブラッキーの英語名)を名乗っていたことを考えると、フレア(Flareon=ブースターの英語名)という名前もポケモンにちなんでいることは理にかなっている。

 しかし、実はフレアのお気に入りポケモンはCyndaquil(ヒノアラシ)だったのだ。それに、Eeveelutions(イーブイズ)以外を選ぶのも語呂がよくない。そこで彼は「フレア」という名前に乗り換えたのだ(ほのおタイプへのこだわりは譲れなかった)。

 二人は、本名とこれらの別名を使って配信を行い、一時はイーブイにインスピレーションを受けたアバターも登場させた。しかし、ポケモン関連のネタをいつまでも使い続けられないこともわかっていたので、最後には独自のデザインに落ち着いた。

 「僕たちは(ポケモン由来の)二人組から、“Mythic Duo”に進化することにしたんだ。今の僕たちはフェニックスとキツネさ。名前はそのままだけどね」。

 VTuberとしての活動は、アンブレの好奇心から始まった。「前にVTuberを見たことがあって、とってもクールで美しいとずっと思っていたのよ」。

 そして現在、二人はそれぞれ週に3日ずつ配信をし(毎週金曜日のコラボ配信を含む)、それぞれ別々の視聴者を獲得している。

 「以前はチャンネル内で自分たちの配信スタイルをもっとアピールしてたのよ」とアンブレ。「フレアは任天堂のゲームをメインにしているけど、私はプレイステーションのタイトルとかFPSなんかをプレイすることが多いわ。フレアはゆるゲー(cozy games)だったり、アドベンチャーゲームなんかをプレイしているわね。まさに別物、別人の配信って感じよね」。

 「正直に言うと、自分一人だけで心配しなくて済むのは、ある意味楽だったわ」。

 しかし、そうした活動スタイルの中で、公私ともにひとつの疑問が常にあった。「これはいったい誰のプロジェクトなのか?」と。当初、配信チャンネルはアンブレの名前だったが、フレアのほうは当然「自分はアンブレの相棒だ」と思っているだろう。

 だが、新規の視聴者はちょっと混乱する可能性がある。ある日は燃えるようなフェニックスがいるかと思えば、また別の日には黒っぽいキツネがそこにいる。

 視聴者の中にはどちらかだけが好きな人もいる。お気に入りの配信者がいることになんら問題はないが、チャット内でそれをコメントするのはNGだ。二人はデュオであり、Mythic Duoのコミュニティに参加したい場合は、両者に敬意を表する必要がある。

 「僕たちの配信を一度見て、次にまた来たときに“あれっ”となる人は大勢いると思う。特に、最初に見たときとは違うほうが出ている場合だったときにはね」とフレアは言う。

 「そういう意味では、僕らは少し損をしているかもしれない」「でも、今のスタイルを変えることはしないわ。正直なところ、このやり方こそが私たちのチャンネルをユニークなものにしていると思うし」「二人組のVTuberがTwitchのパートナーマークなんかを付けているのも実際に見かけたことがある。僕らもきっとそうなれると信じているよ」。

 フレアとアンブレにとって、共同で配信をすることは目から鱗の体験だった。二人はその過程でお互いについて多くのことを学んだ。パートナーとしての絆も深まった。そして現在、二人はお互いなしではコンテンツを作ることができないほどの関係だ。

 アンブレいわく、「私たちがやっているのは仕事と同じようなものだと思う。だから仕事を離れれば、私たちの生活はいたって普通よ。ゲームをしたり、夕食を作ったり、その他のあれこれをして、私たちの日々は回っていくのよ」。

 「(配信は)まさに私たちの生活の一部になっているわ。私たちにとって、もはや一緒にやるべきことなのよ」。

 「配信することが僕たちをより近づけたんだと思う」とフレア。「でも、配信していないとき、彼女には一緒にゲームをプレイするゲーム仲間がいるけど、彼女がプレイするゲームを必ずしも僕もプレイしているわけじゃない」。

 「かわりに僕は僕自身の好きなこと、例えばアニメや仮面ライダーを見たり、自分の好きなゲームなんかを遊んでいるよ」。

 「僕らはゲームもそうだし、人生におけるいろんな面で興味を共有している。でも、僕らが配信においてはチームであり、こんな形でお互いの人生の一部にもなっているということは、ある意味で間違いなくお互いの助けになっていると思う」。

 「僕らはお互いを分かりあえてる。だからたとえば僕が『いま配信中だ』って言ったとき、いま僕がどういう状況なのか彼女が理解できないとか、そういうことは起こらないんだ」。


フレアととアンブレのもっとくわしいストーリーは、Behind The Modelの動画(以下)をご覧ください。


※この翻訳記事のサムネイル画像は、UmbreのX(旧Twitter)のアカウントヘッダー画像から作成しました。