エルフのVTuberが日本観光をガイド「Oh Nippon!」
このスポットライト特集では、とあるスタートアップを支えるチームと、エルフのVTuber・リナに話を聞く。
By VTuber NewsDrop (2024/1/12)
「日本のあらゆるものへのバーチャルチケット」(Your virtual ticket to everything Japan)をうたう「Oh Nippon!」(オー・ニッポン!)は、“日出ずる国”に現れたエルフのガイド、リナ(Rina)が主役のYouTubeチャンネル。 同チャンネルを運営するOh Nippon合同会社は、2020年11月に北海道自治体から認可された初の海外スタートアップ企業である。
今回の特集では、このスタートアップを支えるチームと、リナ自身に話を聞く。
Oh Nippon!のプロファイル
【写真】 「世界コスプレサミット2022」の特集でコスプレイヤーのJin Joson氏と話すリナ
「私たちオー・ニッポンの目標は、単に情報を提供して楽しませるだけでなく、ポジティブな気持ちになれる、質の高いコンテンツを作ることです。世界にはネガティブな要素が多すぎるので、私たちはポジティブなノリでそれを打ち消したいんです」と、チーム創設者のShacho(社長)は語る。
本記事作成時点までに、オー・ニッポンのYouTubeチャンネルでは100本以上の動画が公開されている。Shachoはこれらのビデオの制作には全力を注ぐ必要があったと言う。
「私たちのチームは小さく、リソースも限られているのでいつもチャレンジの連続。ですので、コンテンツ制作には多大な時間と金銭的投資が必要なんです」。
とはいえ、彼らのコンテンツの性質上、さまざまな職業のトップの人たちと交流することもできる。
「私たちは信じられないような出来事を目撃できるだけでなく、そのトップの人たちと交流することもできるんです」。
しかし、VTuberで言うところの「パートナー」とのコラボには許可が必要だ。適切な手順を踏まずに何かをすることはできない。
「外国スタートアップ企業として北海道の認可を受けていることが、さまざまな場所やイベントを取材するために個人や企業、地方自治体から許可と協力を得るのに役立っていますね」。
舞台裏で彼らが経験したこと
ユネスコのクラフト創造都市・金沢を訪れた一行は、伝説的な名声を誇る和傘店「松田和傘店」の三代目・松田重樹氏と出会う。Shacho自身も松田氏との出会いが忘れられないという。
「私たちが訪問したとき、そこには日本の皇室の傘が修繕のために店内に置かれていました。それだけでなく、松田さんが有力者や著名人と一緒に写っている写真も見ることができたんです。あのマイケル・ジャクソンと並んでいる写真もありました」。
体験といえば、リナに地域探訪の醍醐味を聞いてみた。
「景色とどちらか選ぶのはちょっと難しいけど、食べ物は絶対に外せません。全部食べられたらいいのに!」
リナのようなエルフは常にお腹を空かせているのだろうか。
「大量のマナを消費する必要があるから、エルフはカロリー消費が激しいんです。おいしいおやつを食べないと、魔力が尽きてゼロになっちゃう。それはエルフにとって望ましくないことなの」。
あらゆる食べ物の選択肢がある日本なら納得のいく話だ。
リナがオー・ニッポンのホストに就くまでは、彼女は日本では完全に“よそ者”だった。彼女が最初に立ち寄ったのはおにぎり屋で、そこで店主と仲良くなった。店主がお腹を空かせたリナにおにぎりをすすめたことが、エルフが日本料理の良さを知るきっかけになったという。
「どんなにシンプルなものでもみんな美味しいから、全部食べようと心に決めました!」
リナもオー・ニッポンのチームも、日本には探求すべきものがたくさんあると認めている。「自分の周りにある、美しいものやクールなものに気づかずに過ごしている人がたくさんいると思う」とリナは熱く語る。
「見過ごされがちな場所にある知られざる天然記念物だったり、にぎやかな街角にひっそりとたたずむお洒落なお店だったり、やるべきこと、見るべきもの、そしてもちろん食べるべきものがたくさんあります! そんな隠れた魅力をみんなにお届けできればなって」。
今後のさらなる活躍に期待
【写真】 世界コスプレサミットなどを主催する、株式会社WCS代表取締役社長の小栗徳丸氏に話を聞くリナ
リナはVTuberホストとして、オー・ニッポンがより多くの人にリーチし、日本文化への関心を高めるチャンネルになることを期待している。
「VTuberのありかたに革命を起こすような面白いコンテンツをたくさん提供していると思っていて、そこは本当に自信があります」。
彼女の今年の目標は、チャンネルのコンテンツをより多くの視聴者に届け、VTuberのトップホストになることだ。ここでちょっとした話題として、リナにコスプレをしないのか聞いてみた。
【写真】 日本文化にどっぷり浸かっているリナは、他のキャラクターのコスプレをすることもある
「もちろん! アッシュ(『ポケモン』のサトシの海外名)のコスプレをしたときのかっこいい写真もあるし(アッシュの声真似が得意とのこと)、『龍が如く』の桐生さん(桐生一馬)のも! 『ジョジョの奇妙な冒険』とか『ドラゴンボール』のミーム画像もちょっとあるかな。もし新しいコスプレを選べるなら、『葬送のフリーレン』のフリーレンをやりたい! 彼女はすごい魔法使いで、私と同じエルフなの!」
ちなみにリナはこのとき、桐生一馬の名曲「バカみたい」の歌ってみた動画を出したいとShachoにせがんでいた。
オー・ニッポンはすでに年末のコスプレイベント「Cosplay Matsuri」でフィリピンに進出しているが、まだ新しいこのYouTubeチャンネルに今後の計画はあるのだろうか?
「私たちはより多くの視聴者にリーチし、コミュニティを作りたいと思っています。将来に向けて大きな計画はありますが、実現には時間がかかります。だから、今はただ期待していてください」。
※この翻訳記事のサムネイル画像は、Oh Nippon!公式サイトのスクリーンショットから作成しました。