観光・旅行がテーマのVR/ARサービス・コンテンツまとめ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって大きな影響を受けた観光業。2023年現在、「with コロナ」の行動様式により観光客の足は少しずつ戻ってきていますが、それでもまだコロナ禍前の水準にはいたっていません。

 一方、コロナ禍のさなかに複数生まれたバーチャル観光・バーチャル旅行系のサービスやコロナ禍以前からあるVR観光系アプリは、リアル観光/旅行の代替コンテンツとして現在も一定の人気があります。

 本記事では、バーチャル観光・バーチャル旅行関連コンテンツを「サービス編」「アプリ編」に分けて紹介します。また、それらのサービスやアプリを手がける企業のリストも最後に掲載しています。

【サービス】

 企業が提供しているバーチャル観光・バーチャル旅行系のサービスは、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けてスタートしたものも多いです。なお、今回は紹介していませんが、2023年時点ですでに提供終了になってしまったサービスも複数ありました。

FIRST AIRLINES

 「地上にいながら空の旅・世界旅行ができるバーチャル航空施設」を謳うFIRST AIRLINES。実際の飛行機の機内座席を再現したスペースで、VR航空旅行体験ができるというサービスです。サービス内容はVRヘッドセットを通じたVR映像体験と、世界各地の料理が楽しめる「機内食」の提供となっています。

 店舗は池袋と浅草の2つ。渡航先は池袋が13、浅草が8(公式サイト、2023年1月現在)。さらに2023年2月からは新たにドイツ・スイス・オーストリアの3か国が追加されます。

どこでもドア Trip

 「どこでもドア Trip」は自宅からでも楽しめるバーチャル旅行サービス。VRヘッドセット(Meta Quest 2)を通じて世界100か国、1000か所以上のオンラインツアーが楽しめるとしています。対応端末はMeta Quest 2のほか、PCやスマホでも利用可能です。

 どこでもドア Tripには「ガイド付き旅行」「セカぶら」の2つのコースがあり、前者は現地ガイドありのリアルタイム旅行体験が可能(日時指定、都度払い)。後者はガイドはつかないものの、好きなタイミングで利用できる月額制のコースとなっています。また、どちらのコースも複数人同時参加が可能で、参加者同士でコミュニケーションすることもできます。

バーチャル修学旅行360

 「バーチャル修学旅行360」はJTBが提供する、VR映像で修学旅行を体験するというサービス。コロナ禍のさなかに生まれたサービスですが、2023年現在も事前学習素材用としてサービス継続中のようです(「京都・奈良編」は新規受付停止中)。

 VR映像はスマートフォン+簡易VRゴーグルのシンプルな提供形態ですが、VR映像体験のほか、現地の人とのオンライン交流プログラムなど、“修学旅行”らしい内容も含まれています。

 なお、バーチャル旅行360は学校・教育機関向けサービスのため、一般ユーザーは利用できないものと思われます。

【アプリ】

 VRヘッドセットを利用したバーチャル観光アプリはコロナ禍以前から多数あります。VRならではの臨場感で世界各地の観光名所を楽しめるだけでなく、通常なら立ち入れないような場所でもバーチャル観光できる点もメリットです。

 最近はMeta Quest 2やPICO 4などのスタンドアロンVRヘッドセットが主流ですが、映像クオリティやアプリの処理スピードではPCに接続して楽しむPC VRのほうにまだ分あります。

 主なVR観光アプリは以下のとおりです。無料/有料、対応プラットフォームなどさまざまなので、ご自身の持っているデバイスや環境に合ったものを試してみてください。 

アプリ名プラットフォーム備考
Google Earth VRSteamVR / Meta Rift無料。Googleの地球儀アプリ「Google Earth」のVR版
Brink TravelerSteamVR / Meta Quest / iOS / Android iOS / Android版は基本無料(アプリ内課金あり)。iOS / Android版はAR仕様
Blueplanet VR ExploreSteamVR / Meta Quest有料(無料体験版あり)
OtherSightMeta Quest有料。スタジオ公式サイトはこちら
RealitiesSteamVR無料
VersaillesVRSteamVR無料
IL DIVINO: Michelangelo’s Sistine Ceiling in VRSteamVR無料。バチカン市国・バチカン宮殿内にあるシスティーナ礼拝堂をVR映像化
Nefertari: Journey to EternitySteamVR無料。古代エジプト・ネフェルタリ王妃の埋葬室をVR映像化
Everest VRSteamVR / Meta RiftSteamVR版は有料。世界最高峰・エベレストをVR映像化
Chernobyl VR ProjectSteamVR / Meta Rift有料。チェルノブイリ原子力発電所とその周辺地域をVR映像化。PlayStation VR版もあるようだが日本では利用不可っぽい?
VR GorillaYouTubeYouTubeで公開されている360度動画。VRヘッドセット経由でVR動画として視聴可能。スタジオ公式サイトはこちら
MarineVerse CupSteamVR / Meta Quest観光アプリではなく、ヨットレース(セーリング)を楽しむVRゲーム。レース会場としてシドニー・リオ・江ノ島・ケープタウンなどの会場が用意されています(ゆっくり鑑賞している余裕はないかもしれませんが)

【関連企業】

 バーチャル観光・バーチャル旅行に関連する事業を手がける日本企業のリスト。すでにサービス提供中の企業、現在企画・開発中の企業とさまざまです。リストの数はまだ少ないですが、補足できしだい順次追加していきます。

アプリ名本社所在地備考
ANA NEO東京都中央区ANAホールディングスの子会社。バーチャルトラベルプラットフォーム「ANA GranWhale」を準備中
JTB東京都品川区「バーチャル修学旅行360」を提供。2021年には他社と共同で「バーチャル・ジャパン・プラットフォーム」を立ち上げましたが……
Travel DX東京都千代田区「どこでもドア Trip」を提供。親会社は株式会社メタリアル
エイチ・アイ・エス(HIS)東京都港区NFTやメタバースなどのWeb3領域への事業展開を見据えた「Web3.0・バーチャルプロジェクト」を2022年7月から開始。プロジェクトの一環として「MyAnimeList」との業務提携