XR(AR/VR/MR)関連の用語集、「あ行」のページです(更新継続中)。用語集トップページはこちら。
【あ】
IMU
Inertial Measurement Unit、慣性計測装置のこと。加速度センサーとジャイロセンサーを組み合わせた6軸IMU、さらに地磁気センサーを組み合わせた9軸IMUなどがある。6軸IMUでは、加速度(並進運動)と角速度(回転運動)を検出し、物体の動きを計測することができる。
AR/VR分野ではヘッドセットやトラッキングデバイスに搭載され、ユーザーの姿勢や動きを測定するのに用いられる。(読み:あいえむゆー)
IK
Inverse Kinematicsの略語で、「逆運動学」と訳される。VRの分野では主に人体のモーションキャプチャで活用され、身体の特定の部位の位置や姿勢を指定することで、そこに到達するまでの中間の関節の姿勢や動きを計算で推定する手法・技術を指す。
なお、IKの逆のアプローチはFK(Forward Kinematics、順運動学)である。(読み:あいけー)
アイトラッキング
Eye-Tracking。人の瞳孔を検知し、その人が何を見ているかをリアルタイムに追跡するセンサー技術のこと。アイトラッキング技術のメーカーとしてはTobiiが有名。
IPD
Inter Pupilary Distance、瞳孔間距離。ヒトの左目と右目の瞳孔がどれくらい離れているかを表す数値のこと。(読み:あいぴーでぃー)
アウトサイドイン・トラッキング
Outside-In Tracking。VR/AR機器におけるトラッキング方式のひとつで、外部に設置されたカメラやセンサーを通じてトラッキングを行う方式のこと。対照的なトラッキング方式として「インサイドアウト・トラッキング」がある。
インサイドアウト・トラッキング方式と比べて設置コストが高いが、そのぶん高精度かつ低遅延のトラッキングが可能な場合が多い。
アウトサイドイン・トラッキング方式のVRヘッドセットとしてはVALVE INDEX、HTC VIVE 2 Pro、PlayStation VR(初代)などがある。
Apple
米国に拠点を置く多国籍テクノロジー企業。Mac、iPhone、iPadなどのハードウェア製品のほか、AppストアやAppleミュージック、Apple TV+ などのデジタルサービスも提供している。
2023年6月にはXRヘッドセット「Apple Vision Pro」を発表。同社ではApple Vision Proを「空間コンピュータ」(Spatial Computing)と呼称している。(読み:あっぷる)
Apple Vision Pro
米Apple社から2024年発売予定のXRヘッドセット。予価3499米ドル。2024年6月5日(現地時間)、Appleの年次開発者イベント「Apple Worldwide Developers Conference」(WWDC)にて発表された。
Appleでは同ヘッドセットについてAR/VR/MRなどの表現は使わず「空間コンピューティング」(Spatial Computing)という呼び方をしている。(読み:あっぷるびじょんぷろ)
アバター
Avatar。ゲームやバーチャル空間内でユーザーの分身となるキャラクターのこと。2D/3D、人間型/非人間型など、外見は千差万別。サンスクリット語の「avataara(アヴァターラ)」が語源。
Amazon
米大手IT企業のひとつで、いわゆるGAFAMの一角。起業当初はネット小売業がメインだったが、現在は電子書籍・動画配信・音楽配信・クラウドコンピューティングなど、事業内容は多角化している。2014年にはライブ配信プラットフォームのTwitchも傘下に収めた。
AR/VRの分野では、WebベースのAR/VRアプリの作成・実行ができるサービス「Amazon Sumerian」を提供していたほか(現在はサービス終了)、ARの分野ではAmazonのECストアで販売している商品をARで試着したり試し置きしたりできるサービスを提供している。
その他、Amazonの動画配信サービス「Primeビデオ」をVRヘッドセットで見られるVRアプリ「Prime Video VR」も提供している。(読み:あまぞん)
Unreal Engine
米Epic Games社が開発・提供するゲーム開発エンジン。VR/ARゲーム・アプリの開発にも使われている。(読み:あんりあるえんじん)
【い】
インサイドアウト・トラッキング
Inside-Out Tracking。VR/AR機器におけるトラッキング方式のひとつで、デバイスに内蔵されたカメラやセンサーを使ってトラッキングを行う方式のこと。外部センサー設置の必要がないのがメリット。対照的なトラッキング方式として「アウトサイドイン・トラッキング」がある。
インサイドアウト・トラッキング方式のVRヘッドセットとしてはMeta Quest 2/3/Pro、PICO 4、HTC VIVE Focus 3などがある。
インターオペラビリティ
Interoperability。「相互運用性」と訳される。XR関連では、主にメタバースと呼ばれるバーチャル空間において、異なるプラットフォーム間でアバターやアイテムを持ち込める/持ち出せるかどうかがインターオペラビリティの論点になる琴が多い。(読み:いんたーおぺらびりてぃ)
【う】
ウェアラブルデバイス
Wearable Devices。頭/顔/首/手首/指/足など、身体の一部に装着して使用する電子機器のこと。「ウェアラブル端末」とも。
XRの分野ではVRヘッドセットやARグラスなどが代表例だが、その他にも腕/手首/腰/脚などの位置をトラッキングするトラッカーや、手指の動きをトラッキングするVRグローブ、VR空間内の体験を触覚として伝えるハプティックスーツなど、さまざまなウェアラブルデバイスが活用されている。
WebAR
Webブラウザ上で体験できるAR(Augmented Reality)体験、またはそれを実現する技術のこと。(読み:うぇぶえーあーる)
Web3
ブロックチェーン技術をベースにした分散型インターネットのこと。
Web1.0(静的なWebページで構成され、ユーザーはWebページを閲覧するだけ)、Web2.0(SNSやブログなど、ユーザーがコンテンツを生産し双方向にコミュニケーションできる一方で、一部の大手IT企業にデータやコンテンツが集中)に続くものとして注目されている。(読み:うぇぶすりー)
WebVR
【1】Webブラウザ上で体験できるVR(Virtual Reality)体験、またはそれを実現する技術のこと。
【2】Webブラウザ上でVRデバイスの位置・向き・加速度などの情報を取得するために用いられるAPIのこと。現在では用途をARにまで拡大したWebXR Device APIに)に置き換えられた。(読み:うぇぶぶいあーる)
WebXR
AR/VRをWebブラウザ上で実現するための技術の総称。中核となるWebXR Device APIは、WebブラウザでAR/VRコンテンツをを実現するために必要な、スマートフォンやAR/VRデバイスなどの入力・出力情報にアクセスするためのAPI。
WebXR Device APIは、Web技術の標準化を推進するW3C(World Wide Web Consortium)によって標準化が進められている。(読み:うぇぶえっくすあーる)
Ultraleap
ハンドトラッキング技術と空中ハプティクス技術を擁する英国企業。2019年5月、UltraHaptics社(空中ハプティクス)とLeap Motion社(ハンドトラッキング)が合併。同年9月に現在の社名になった。
主な製品としてハンドトラッキングカメラ「Leap Motion Controller 2」や、ハンドトラッキングカメラモジュール「Ultraleap Stereo IR 170」などがある。(読み:うるとらりーぷ)
【え】
HMD
Head Mounted Display。→「ヘッドマウントディスプレイ」の項へ (読み:えいちえむでぃー)
HTC
台湾を拠点とするスマートフォン/携帯情報端末メーカー。2016年4月にValve社と共同開発のVRヘッドセット「HTC VIVE」を発売。以降、VIVEの名を冠したVRヘッドセットを継続的に開発・リリースしているが、近年はMeta(旧Facebook)に水をあけられている。(読み:えいちてぃーしー)
HTC VIVE
HTCとValveが共同開発した、PC接続型のVRヘッドセット。2016年4月発売。以降、「VIVE Pro」「VIVE Focus」「VIVE Cosmos」などのシリーズ製品が継続的に発売された。2023年時点のシリーズ最新製品は「VIVE XR Elite」。(読み:えいちてぃーしーばいぶ)
HUD
Head Up Display。 → 「ヘッドアップディスプレイ」の項へ(読み:えいちゆーでぃー)
AR
Augmented Realityの略語で「拡張現実」と訳される。現実世界の光景にデジタル情報を重ね合わせて表示し、現実を「拡張」する技術のこと。AR体験にはARグラスやスマートグラス、スマートフォンなどを利用する。(読み:えーあーる)
ARKit
Appleが開発した、iOS端末(iPhone/iPad)用のAR開発プラットフォーム。端末のカメラやセンサーを利用し、平面検出・空間認識・端末の自己位置推定・人体のモーショントラッキングなどをアプリに実装することができる。最新バージョンは2022年6月にリリースされたARKit6。(読み:えーあーるきっと)
ARクラウド
AR cloud。AR体験に関わるデータをインターネット上(クラウド)で保持・処理することで、複数人でのリアルタイムAR体験を可能にする技術やサービスのこと。
ARクラウドの要件には永続空間アンカー(Persistent Spatial Anchor)、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping、自己位置推定と環境地図作成の同時実行)、VPS(Visual Positioning System/Service)など、複数の技術が含まれる。(読み:えーあーるくらうど)
ARグラス
メガネ(グラス)型のARヘッドセットの総称。代表的なARグラスとしてはMagic Leapの「Magic Leap 2」やXrealの「XREAL Air 2 Ultra」などがある。カメラやセンサーを通じて現実空間を認識し、現実の物体や場所にデジタル情報を重ねて表示できるのが特徴。
メガネのレンズ部にデジタル情報を表示するだけのものは「スマートグラス」「メガネ型ディスプレイ」と呼ばれ、ARグラスとは区別される。
ARCore
Googleが開発した、Android端末向けのAR開発プラットフォーム。端末のカメラやセンサーを利用し、平面検出・空間認識・端末の自己位置推定・環境光の推定などをアプリに実装することができる。
ただし、OSが統一されているARKitとは異なり、ARCoreはスペックにより利用できない端末もある。(読み:えーあーるこあ)
ARコンタクトレンズ
AR Contact Lens。 → 「スマートコンタクトレンズ」の項へ(読み:えーあーるこんたくとれんず)
SR
Substitutional Realityの略語で「代替現実」と訳される。現実世界に過去の時点の映像を織りまぜ、過去の出来事や事物がいま目の前にあるように錯覚/体験させる技術のこと。(読み:えすあーる)
SAO
川原礫のライトノベル『ソードアート・オンライン』(Sword Art Online)の頭文字を取ったもの。同作はVR MMORPG「ソードアート・オンライン」を舞台にしたSFファンタジーで、小説を起点に漫画・TVアニメ・劇場版アニメ・ゲームなどマルチメディア展開している。
Oculus創業者のパルマ―・ラッキーは同作のファンであることが知られている。(読み:えすえーおー)
XR
AR/VR/MRの総称。AR/VR/MR技術の境界が曖昧になってきたことから、それらを総称する言葉として生まれた。
XRは「eXtended Reality(拡張現実)」や「Cross Reality(クロスリアリティ)」の略語とされるほか、代数としてのxだとする説もある。(読み:えっくすあーる)
Xreal
中国のARグラスメーカー。ARグラス「XREAL Light」(旧:NrealLight)、グラス型ディスプレイ「XREAL Air」(旧:Nreal Air)シリーズなどを開発・販売している。
旧称はNreal(エンリアル)だが、2021年にEpic Gamesから同社のブランド「UNREAL」とつづりや発音、ロゴが似ていると訴訟を起こされた。詳細は不明ながら両者は2022年に示談したとされ、2023年5月にNrealはXrealに社名変更した。(読み:えっくすりある)
NFT
Non Fungible Token。日本語では「非代替性トークン」と訳される。ブロックチェーン上で作成された、代替不可能な一意のデジタルデータ(トークン)のこと。(読み:えぬえふてぃー)
NVIDIA
米国の大手半導体メーカー。特にGPU(Graphics Processing Unit、グラフィックス処理ユニット)の分野で突出しており、GeForce RTXやNVIDIA RTX/QuadroなどのGPUシリーズで知られる。
XRに関連する製品では、仮想空間コラボレーションとリアルタイムシミュレーションのためのオープンプラットフォーム「NVIDIA Omniverse」がある。(読み:えぬびでぃあ)
NVIDIA Omniverse
NVIDIAが開発・提供する、仮想空間コラボレーションとリアルタイムシミュレーションのためのオープンプラットフォーム。Universal Scene Description(OpenUSD)ベースの3Dワークフロー/アプリケーション開発、デジタルツイン構築などが可能。
NVIDIA OmniverseではOpenUSDを利用して既存のソフトウェアやプラットフォームを相互運用可能で、リアルタイムでコラボレーションやシミュレーションを行うことができる。
NVIDIA Omniverseと接続できるソフトウェア・プラットフォームは、3ds Max/Maya/Revit/Blender/Cinema 4D/Houdini/MagiScan/Sketchfab/Substance 3D Designer/Substance 3D Painter/Unreal Engineなど多数。(読み:えぬびでぃあ おむにばーす)
Epic Games
『Fortnite(フォートナイト)』で知られる米国のゲーム開発会社。同社が手がけるゲーム開発エンジン「Unreal Engine(アンリアルエンジン、UE)」はVR/ARゲーム・アプリの開発にも使われている。
近年では元々バトルロイヤルゲームだったフォートナイトの機能を拡充し、いわゆる「メタバース」と呼ばれるコンテンツ群に成長させつつある。(読み:えぴっくげーむず)
FOV
「Field of View」の略語で、視野のこと。
ヒトの視野角はおおよそ水平200°、垂直130°程度と言われており、既存のVRヘッドセットは人の視野角をまだ完全にカバーはできていない。(読み:えふおーぶい、ふぉぶ)
MR
Mixed Realityの略語で、「複合現実」と訳される。ARがデジタル情報を現実世界の光景上に表示させるのに対し、MRでは表示させたデジタルオブジェクトに触れたり、触れた結果がデジタルオブジェクトや現実世界に反映されたりなど、インタラクションがあるのがARとの違いとされる。(読み:えむあーる)
【お】
OpenXR
XR(AR/VR/MR)プラットフォームおよびデバイスへのクロスプラットフォームアクセスを提供する、ロイヤリティフリーのオープンスタンダードAPI。クロノス・グループが規格策定を行い、2019年7月29日にOpenXR 1.0が公開された。
OpenXRの仕様に則って作成したAR/VRソフトウェアは、コードを書き換えることなく複数のプラットフォーム/デバイス向けにビルド&リリースできるようになる。
プラットフォームやデバイスごとにコードを書き換える手間が省けるため、開発コストを削減することが可能。OpenXRにはUnityやUnreal Engine用のプラグインも用意されている(読み:おーぷんえっくすあーる)。
Oculus
VRヘッドセット「Oculus Rift」を設計・開発した、パルマ―・ラッキー(Palmer Luckey)らが設立した会社。2014年3月にMeta(旧Facebook)によって買収された。
Oculusブランド下では「Oculus Rift/Rift S」「Oculus Go」「Oculus Quest 1/2」などのVRヘッドセットが開発・発売されたが、Meta社の社名変更に伴いOculusブランドは順次廃止、Oculus Questも「Meta Quest」に改称された。(読み:おきゅらす)