海外および日本国内で運営されているソーシャルVR/ARサービスのまとめ。「VR/AR」としていますが、2021年以降の“メタバース”ブームも考慮し、フラットスクリーン(スマホ/タブレット/PC)しかない、あるいはVR/ARがオプション扱いのソーシャルプラットフォームも含めて紹介しています。
なお、「基本データだけ一覧で見たい」という方はもくじ内の一番最後、「ソーシャルVR/AR(&メタバース)サービス一覧」をクリックしてリスト部分まで飛んでください。
海外産サービス
VRChat
【対応プラットフォーム】 Steam(PC VR、デスクトップモード有)、Meta Quest / Quest 2
2017年リリース(※1)のソーシャルVR。名実ともにソーシャルVRの筆頭アプリで、PC VR(SteamVR)のほか、行けるワールドや使えるアバターなどに一部制限はあるものの、Meta Quest 2などのスタンドアロンVRヘッドセットでも動作します。
Windows / Macではデスクトップモードでもプレイできますが、UIはVR前提に設計されており、デスクトップモードではやや操作しづらい感じがあります。また、デスクトップモードであっても快適なプレイにはそこそこ高スペックのPCが必要です。
アプリ内には個人制作によるワールドが多数存在しているほか、近年では日産・サンリオ・HIKKY・など、国内企業主催によるワールド/イベントも増えてきました。
さらに2023年12月にはスマホ版(Android)がオープンベータ版としてリリース。さらなるユーザー数増加が期待されます。
余談ですが、個人的なVRChatの所感(2023年1月時点)を以下の記事で述べています。
※1:Oculus DK1開発キット対応のスタンドアロン版(Windows)は2014年1月リリース
NeosVR(Neos Metaverse)
【対応プラットフォーム】 Steam(PC VR、デスクトップモード有)、Windows
チェコの企業Soliraxが開発・運営するソーシャルVRで、VRChatに続く2018年にSteamでリリースされています。
ユーザー数ではVRChatに大きく水を空けられていますが、VR空間内で3Dモデリングやプログラミングまでできてしまうなど、クリエイティビティの自由度の高さが特長。また、Steam版では削除されていますが、独自の暗号資産(仮想通貨)の仕組みも備えています。
なお、公式サイトや公式SNSはいつの間にか「Neos Metaverse」と表記するようになっていますが、当初からこうだったか、私自身の記憶は曖昧です。
Resonite
【対応プラットフォーム】 Steam(PC VR、デスクトップモード有)
チェコのソフトウェア開発者集団、Yellow Dog Man Studiosが開発・運営するソーシャルVR。
Yellow Dog Man Studiosは前述の「NeosVR(Neos Metaverse)」の元開発チームメンバーから成り、NeosVRの経営陣との方針の違いから分離独立。Resoniteを2023年10月にアーリーアクセス版としてリリースしました。
NeosVR開発チームが関わっていることもあり、多機能かつクリエイティビティの自由度の高さはNeosVR譲り。また、リリース当初から日本語に完全対応しているため、入り口に関してはNeosVRよりハードルが低いと言えます。ただしアプリ自体は相当重く、快適な体験にはハイスペックのPCが必要です。
Mozilla Hubs
【対応プラットフォーム】 Webブラウザ(VR対応)
Webブラウザ「Firefox」などで知られるMozillaが提供するソーシャルVR。Webブラウザで動くVR(WebVR)なのが特長で、URLをクリックするだけでPC/スマホ/タブレット/VRヘッドセットからソーシャル体験が可能です。
少し前までは誰でも無料で使い放題でしたが、Mozilla社がコロナ禍をきっかけにリストラを実施したことも影響してか、2023年現在は有料プランが基本になっています(「Explore Hubs」から無料トライアルは可能)。また、AmazonのAWS上に独自のVR空間を構築・運用する「Hubs Cloud」というサービスも提供しています。
Webブラウザベースゆえに開始ハードルは低めですが、一方でこれまたWebブラウザベースゆえの表現力の限界もあります。また、一部屋(インスタンス)あたりの最適収容人数は25名程度と、他のソーシャルVRアプリと比べてもさほど多くはありません。
Horizon Worlds
【対応プラットフォーム】 Meta Quest 2 / Quest Pro
メタバースを推進するMeta(旧Facebook)謹製のソーシャルVR。2023年3月時点では米・英・カナダ・フランスなど一部地域のみ利用可能で、日本でのサービス開始は未定です。
また、VRアプリ版のほかにWebブラウザ版の開発も進めているとのことですが、こちらも日本を含めリリース時期は未定となっています。
Spatial
【対応プラットフォーム】 Meta Quest / Quest 2、iOS / Android、Webブラウザ(非VR)
SpatialはVRヘッドセットやWebブラウザ、スマートフォンから利用するソーシャルVR。当初はビジネス向けのバーチャル会議アプリとしてリリースされましたが、コロナ下の2020年5月に基本無料アプリとして一般公開に踏み切りました。
2021年11月にはピボットを宣言、主にNFTクリエイターやその顧客・ファンを対象にしたサービスとして現在にいたります。ただし実態としては「NFTも扱えるソーシャルVR」といった感じで、サービス利用に暗号資産やNFTが必要というわけではありません。
さらに2023年11月には再度ピボット宣言、Webブラウザベースのゲーム開発プラットフォームへと舵を切りました。
元は会議アプリとして作られたこともあり、3Dアバターによるコミュニケーションのほか、画面共有やメモ機能など、仕事にも役立つ機能はピボット後もそのまま残っています。その他、UnityとSDK(Spatial Creator Toolkit)を利用して独自のバーチャル空間を作成・公開することもできます。
Rec Room
【対応プラットフォーム】 Steam(PC VR、デスクトップモード有)、Meta Quest / Quest 2、PlayStation VR、iOS / Android
2016年リリースのソーシャルVR。最大の特長はソーシャル要素というよりも、ユーザーが作成したゲームをプレイできる、UGC(User-Generated Contents)ゲームプラットフォームであることです(運営自身が制作したゲームもあり)。
ユーザー数の多さも特長のひとつで、2022年4月時点で月間アクティブユーザー数(MAU)は300万に達しています。なお、Rec RoomはPlayStation VRでもプレイ可能ですが、メニューやUIは日本語化されていません。
Roblox
【対応プラットフォーム】 Windows / Mac、iOS / Android、Xbox、Meta Rift/ HTC VIVE(SteamVR)
2006年リリースのオンラインゲームプラットフォームで、ユーザーが作成した多数のゲームで遊ぶことができます。ユーザー数も非常に多く、2022年9月時点でピーク時のデイリーアクティブユーザー数(DAU)は5800万人にも達しています。
ただ、HTCやMetaのVRヘッドセットにも対応しているものの、RobloxはPCやスマホなどフラットスクリーンでプレイするのが主流で、正直なところ現状では「ソーシャルVR」とは言いがたい一面もあります。
が、2021年から音声チャットがテスト導入されたり、VRモードでのUI/UX改善が図られたりしています。また、Robloxがメタバースのひとつと見なされるようになったこともあり、今後ソーシャルVRとして進化していく可能性も低くはないと考えます。
Bigscreen
【対応プラットフォーム】 Steam(PC VR)、Meta Quest / Quest 2
VR空間内で映画やテレビ番組、動画を視聴できるVRアプリ。PCデスクトップ画面の共有(ストリーミング)も可能で、一部屋に最大15人まで入ることができます。
なお、Bigscreen社は2023年2月に独自のVRヘッドセット「Bigscreen Beyond」を発表。2023年第3四半期の発売を予定しています。
AltspaceVR (※2023/3/10でサービス終了)
【対応プラットフォーム】 Steam(PC VR、デスクトップモード有)、Meta Quest / Quest 2、Windows
マイクロソフトが運営するソーシャルVR。元々はAltspaceVR社が開発・運営していましたが、同社が経営難に陥りサービスが終了しかけたところをマイクロソフトが2017年10月に買収したという経緯があります。
マイクロソフト買収後は企業・個人を問わずさまざまなイベントが開催され、マイクロソフト自身も自社イベントのVR会場として活用したこともありましたが、2023年1月にサービス終了が発表されました。
国産サービス
cluster(クラスター)
【対応プラットフォーム】 Meta Quest 2、Windows / Mac(SteamVR)、iOS / Android
国産筆頭のソーシャルVRアプリ。2017年のリリース当初は「VRソーシャルルーム」「バーチャルイベントプラットフォーム」などを自称していましたが、現在は機能拡張と合わせて「メタバースプラットフォーム」を呼称しています。
個人制作のワールドが多数存在するほか、「バーチャル渋谷」や「バーチャル大阪」などの地域連動型ワールド、『ポケモン』や『ソードアート・オンライン』などのIP連動ワールドも複数存在します。
国産アプリなので当然日本語完全対応。また、2020年にはスマホ版もリリースされ、始めやすさと使いやすさでは他の一歩先をいっていると思います。
Virtual Cast(バーチャルキャスト)
【対応プラットフォーム】 Steam(PC VR)、Meta Quest /Quest 2
バーチャルキャスト社が開発・運営するVRコミュニケーションサービス。2018年にPC VRアプリとしてリリースされ、2020年10月にはMeta Quest / Quest 2版もリリースされました。
VR空間内でのコミュニケーションはもちろんのこと、他のソーシャルVRと違う点として、VR空間内での様子をニコニコ生放送やYouTube Liveにそのままライブストリーミングできる点が挙げられます。ただし、完全にVR限定アプリなので始めるハードルは他に比べて高めかもしれません。
DOOR
【対応プラットフォーム】 Webブラウザ(VR対応)
NTTコノキューが運営するソーシャルVR(NTTから移管)。ベースはMozillaのHubs Cloudで構築されており、Webブラウザで利用できるのが特長です。
個人での利用だけでなく、企業や団体が主催するイベントの会場としても多数の事例あり。個人での利用は無料ですが、法人利用では大規模イベントや有料イベントをサポートする有料オプションもあります。
ambr (※ピボット済み)
【対応プラットフォーム】 Oculus Go
かつてOculus Goで展開していたソーシャルVR。ambr社は2020年にピボットし、現在はメタバース構築プラットフォーム「xambr(クロスアンバー)」を提供しています。xambrで構築されたVR空間としては東京ゲームショウのVR会場「TOKYO GAME SHOW VR」などがあります。
【リスト】ソーシャルVR/AR(&メタバース)サービス一覧
サービス名 | プラットフォーム | 備考 |
---|---|---|
VRChat | Steam(PC VR、デスクトップモード有)、Meta Quest 2 | – |
NeosVR(Neos Metaverse) | Steam(PC VR、デスクトップモード有)、Windows | Android版(有料クローズドβ)もあり |
Resonite | Steam(PC VR、デスクトップモード有) | 2023年10月にアーリーアクセス版としてリリース |
Mozilla Hubs | Webブラウザ(VR対応) | AWSベースの「Hubs Cloud」もあり |
Horizon Worlds | Meta Quest 2 / Quest Pro | Webブラウザ版も開発中 |
Spatial | Meta Quest / Quest 2、Android、iOS、Webブラウザ(非VR) | – |
Rec Room | Steam(PC VR、デスクトップモード有)、Meta Quest / Quest 2、PlayStation VR、Android、iOS | – |
Roblox | Windows / Mac、Android、iOS、Xbox、Meta Rift / HTC VIVE | – |
Bigscreen | Steam(PC VR)、Meta Quest / Quest 2 | – |
【終了】AltspaceVR | Steam(PC VR、デスクトップモード有)、Meta Quest / Quest 2、Windows | 2023年3月10日にサービス終了 |
cluster(クラスター) | Meta Quest 2、Windows / Mac(SteamVR)、iOS / Android | – |
Virtual Cast(バーチャルキャスト) | Steam(PC VR)、Meta Quest / Quest 2 | – |
DOOR | Webブラウザ(VR対応) | ベースはHubs Cloud |