Excurio、施設型VRプラットフォーム「LBXR Pulse」を公開

施設型のイマーシブ体験(没入型体験)の開発を手がけるフランス企業Excurioは2026年3月9日、大規模なロケーションベースVRの制作・管理・運用を統合的に行う新プラットフォーム「LBXR Pulse」を発表した。
同社がこれまで『Horizon of Khufu 古代エジプトへの旅』や『Eternal Notre-Dame』などのプロジェクトで培ってきた運用技術を体系化したもので、今後は外部のスタジオやIPホルダー向けにも提供を開始する予定だ。
ロケーションベースVR運用の効率化を目的とした設計
施設型VRの運営ではこれまで、時間あたりの動員数(スループット)の向上や、限られた物理スペースの有効活用、運営コストの最適化が課題とされていた。LBXR Pulseはこれらの課題を技術的なアプローチで解決するべく開発されている。
LBXR Pulse・3つの主な特長
1. 同時体験人数の大幅な拡大
自由に歩き回れるフリーローム形式のVRにおいて、LBXR Pulseは最大130人以上の同時参加が可能。これは従来のVRシステムと比較して約10倍にもあたり、大規模施設における商業的な運用に対応する。
2. 同一空間でのマルチコンテンツ運用
ひとつの物理的なスペース内で、複数の異なるVR体験コンテンツを並行して稼働させることが可能。来場者は複数の選択肢からVR体験を選べるようになり、施設側は単一のスペースで多様なニーズに対応できるようになる。
3. 多様な建築構造への適応
ドーム型施設や美術館、建築上の制約がある会場など、不規則な形状の空間に対しても、大規模な現地テストを省略して導入できる適応型設計技術を採用している。
制作&運用のための統合管理システム
加えて、LBXR Pulseはコンテンツ制作から現場での運用までを一貫したシステムで管理。より効率的・低負担でコンテンツ制作やサービス提供を行えるようになる。
運用支援機能の標準化
LBXR Pulseを採用するスタジオや施設では、以下のようなシステムやツールを標準機能として利用できる。
- スマートガイドシステム: 来場者を体験内容や会場内へと誘導するナビゲーションソフト
- リアルタイムモニタリング: 運用状況の監視・デバイス管理・来場者の流れや動きをリアルタイムで追跡
- ユーザーカスタマイズ: アバター・言語設定・ユーザーの好みなどに応じてVR体験をカスタマイズ
- アクセシビリティ: 障がいを持つ参加者も含めあらゆるユーザーが安全に参加できる設計
- 統計・分析ツール: 動員数や参加者のエンゲージメントに関するデータを閲覧
- グループ作成と同期: 友人や家族のグループが同期して一緒にVR体験できるツール
- 多言語機能: コンテンツ制作/ライブ運用の両方において複数の言語をサポート
開発ワークフローの提供
コンテンツ制作者向けに、主要な3D制作ソフトと連携するツールキットも提供。VRコンテンツ制作の効率化が図られている。また、Excurioが世界16か国で展開する45以上の拠点ネットワークを通じたコンテンツ配信の機会も提供するという。
配信プラットフォームとしてのExcurioに

LBXR Pulseのリリースにより、Excurioは自社コンテンツの制作だけでなく、ロケーションベースVRの配信・運用インフラを提供するグローバルプラットフォーム/配信ネットワークとしての役割も持つことになる。同社はLBXR Pulseを通じ、大規模な没入型体験をより一般的な娯楽形態として定着させることを目指す。
「LBXR Pulseによって、我々はVRをニッチな職人芸モデルから、拡張性のある産業グレードのプラットフォームへと移行させます。大量かつ集中的な使用に耐えうる信頼性と耐久性を提供します。これは、運営者が持続可能なビジネスを営み、クリエイターが技術的な障壁なしにメインストリームの観客へリーチすることを可能にする、欠けていた最後のピースなのです」
—— Excurio CEO兼共同創設者・Fabien Barati氏
ロケーションベースエンターテインメント(LBE)市場において、LBXR Pulseが標準化されたプラットフォームとしてどのような影響を与えるか、今後の採用事例・活用事例に注目です。
ちなみに、CinemaLeap(シネマリープ)が日本で運営しているIMMERSIVE JOURNEY(イマーシブ・ジャーニー)では、Excurioが制作した『Horizon of Khufu 古代エジプトへの旅』と『Tonight with the Impressionists PARIS 1874 印象派画家と過ごす夜』を営業しています。
IMMERSIVE JOURNEYがLBXR Pulseのプラットフォームを採用すれば、現在公開中の2作品以外の作品も提供されるようになるかもしれません。
(参考・画像出典:Shore Fire Media)

