XR(AR/VR/MR)用語集【は行】

XR(AR/VR/MR)用語集 - は行

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【は】

VirtualCast

 ドワンゴとインフィニットループが共同開発した、2018年4月開始のソーシャルVRサービス。現在はバーチャルキャスト社が開発・運営を行っており、サービス内容も「メタバースプラットフォーム」としている。

 VirtualCastでは、3Dアバターを使ってVR空間内でユーザー間コミュニケーションができるほか、VR空間内での活動をニコニコ生放送やYouTubeにライブ配信をすることも可能。

 VirtualCastはPC VR版のほか、2020年10月にはスタンドアロンのMeta Quest版もリリースされた。ただしMeta Quest版ではPC VR版で使えるサービスの一部が利用不可となっている。(読み:ばーちゃるきゃすと)

パンケーキレンズ

 Pancake lense。光学レンズの種類のひとつ。短焦点レンズで、フレネルレンズと比べてレンズモジュールの全長が短く、VR/ARヘッドセットをコンパクトにできるのが特長。

 パンケーキレンズを採用したVR/ARヘッドセットにはMeta Quest 3やPICO 4、VIVE XR Eliteなどがある。

ハンドトラッキング

 Hand-tracking。カメラやセンサーで人の手の位置や動きなどを追跡し、デジタルデータに変換する技術のこと。XRの分野では、人の手の動きをVR/AR/MR空間上のアバターの手に反映させたり、手の動きでゲームやアプリを操作するのに利用する。

 ハンドトラッキングにはMeta Questのようにヘッドセット内蔵のカメラを利用するケースのほか、Ultraleap製品のような外部デバイスで対応するケースもある。

【ひ】

ビデオシースルー

Video see-through。ヘッドマウントディスプレイの前面に搭載したカメラで撮影された現実世界の映像を、リアルタイムでディスプレイ表示する方式のこと。

 対称的な仕組みである光学シースルー(Optical see-through)と比べ、背景映像を自由に編集できる、デジタルコンテンツの表示領域を広げやすい、などのメリットがある。

 一方で、光学シースルーと比べて映像の解像度や立体感が下がるほか、HMDの構造的に閉塞感が大きくなる、などのデメリットがある。

【ふ】

VR

 コンピュータ上に人工的な環境を構築し、実際にそこにいるかのような感覚を体験できる技術のこと。多くの場合、VR体験にはVR用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を利用する。

 Virtual Realityの略語で「仮想現実」または「人工現実感」と訳される。ただしVirtualの本来の意味から「実質的現実(感)」と訳すのがよいとする向きもある。(読み:ぶいあーる)

VR SNS

 →「ソーシャルVR」

VRM

 人型の3Dキャラクター・アバターの使用を想定した、プラットフォームに依存しないファイル形式。VRMコンソーシアムが規格策定を行っている。

 従来の3Dモデルに含まれるテクスチャやボーンといった情報に加え、視線設定など、一人称で操作するアバターに必要な情報も扱えるのが特徴。また、アバターを第三者が使用することの可否、暴力表現・性的表現の可否など、アバター特有の権利などもファイル内に埋め込むことができる。

 プラットフォームに依存しないため、VRM形式で作成された3Dアバターは互換性を持ち、複数のアプリやサービスをまたいで利用することができる。(読み:ぶいあーるえむ)

VRChat

 VR空間でユーザー間コミュニケーションを楽しめるソーシャルVR(≒メタバース)アプリ。ユーザーは3DアバターでVR空間にアクセスし、多人数で会話やゲーム、イベントなどを楽しむことができる。

 対応プラットフォームはPC VR(Steam)、Meta Quest 2/3/Pro、およびPICO 4。Windowsでは非VR(デスクトップモード)でプレイ可能。

 その他、2023年12月にはVIVEトラッカー(Ultimate)に対応した「VRChat for VIVE XR Elite」もリリース。さらに同じく2023年12月にスマホ版(Android)VRChatがオープンベータで公開された。(読み:ぶいあーるちゃっと)

VR酔い

 VR体験中に起きることがある、めまい・吐き気・不快感などの症状のこと。VR Sickness。乗り物酔いに似た症状が起きることから「VR酔い」と訳される。

VTuber

 2Dまたは3Dのアバターを用いてライブ配信や動画投稿を行う存在のこと。

 バーチャルYouTuber(Virtual YouTuber)が省略された形が語源だが、現在ではYouTube以外の配信プラットフォーム(Twitch、ニコニコ生放送、SHOWROOM、Pococha、17LIVE、etc….)でも存在が多数確認されるため、本来の語義は失われつつある。

 英語圏ではVTuberとしてライブ配信・動画投稿することを「VTubing」と言う。(読み:ぶいちゅーばー)

フェイストラッキング

 Face-tracking。「表情トラッキング」とも。カメラなどのセンサーで人の顔(表情)の動きを追跡し、デジタルデータに変換する技術のこと。XRの分野では、ヘッドセット装着者の表情をVR/AR/MR空間上のアバターに反映させるのに用いる。

 2023年時点ではフェイストラッキング機能を標準搭載するXRヘッドセットはまだ少なく、普及機ではMeta Quest Proくらいである。

 外付けデバイスではHTC VIVEの「VIVEフェイシャルトラッカー」があり、HTC VIVE Proシリーズと組み合わせて利用することができる。

フォービエイテッド・レンダリング

 Foveated rendering。日本語では「中心窩(ちゅうしんか)レンダリング」と訳される。映像のレンダリングにおいて、ユーザーの中心視野ほど解像度を高くし、外側に行くにつれて解像度を下げて描画する手法のこと。レンダリングに関わる処理負荷を軽減するほか、視覚的な没入感を高めるのにも効果があるとされる。

 フォービエイテッド・レンダリングはその処理方式により、静的フォービエイテッド・レンダリング(Static foveated rendering)と動的フォービエイテッド・レンダリング(Dynamic foveated rendering)の2種類がある。

フレームレート

 Frame Rate。1秒間に動画が何枚の画像で構成されているかを示す単位で、fps(frames per second)で表す。

 フレームレートが高いほど滑らかな動画になるが、そのぶん必要な映像処理能力も高くなる。また、画質が同じ場合、フレームレートが高いほうがデータ量も大きくなる。

フレネルレンズ

 Fresnel lens。光学レンズのひとつ。通常のレンズが同心円状の領域に分割されており、ノコギリ状の断面を持つのが特長。この形状にすることで通常のレンズより軽量・薄型化でき、原材料費も下げることができる。

 一方で、VR/ARヘッドセットに採用する場合、ディスプレイとレンズ間の距離をパンケーキレンズよりも長く取る必要があり、ヘッドセットのサイズが大きくなってしまうという問題がある。

 フレネルレンズを採用したVR/ARヘッドセットにはMeta Quest 2、PlayStation VR 2、VALVE INDEX、HTC VIVE Pro 2などがある。

ブロックチェーン

 「分散管理台帳技術」とも呼ばれる、取引データをブロック単位で記録し、ブロックを時系列順につなげて管理する技術のこと。その仕組み上、データの改ざんがほぼ不可能とされるのが特長。

 Web3の要とされる技術で、暗号資産(仮想通貨)の流通取引やWeb3アプリケーションの開発に応用されている。

 ブロックチェーンの技術は、2008年にサトシ・ナカモトという名の人物(あるいはグループ)が発表したホワイトペーパー、「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」がベースになっている。

【へ】

ヘッドアップディスプレイ

 Head-Up Display。「HUD」と省略表記されることも。人の視界に映像を表示すること全般を指すが、代表的な例としては自動車のフロントガラスにナビゲーションや速度などの情報を投影する用途が挙げられる。

ヘッドマウントディスプレイ

 頭に装着して使用するディスプレイ装置。Head Mounted Display。「HMD」と表記されることも多い。

 主にXRコンテンツ(AR/VR/MR)を体験するのに用いられるが、語義的には表示されるものはXRである必要はないため、スマートグラスやメガネ型ディスプレイもHMDに含まれる。

【ほ】

ホログラフィ

 Holography。3次元像(立体像)を記録する技術のことで、ホログラフィーによって記録されたものをホログラムと呼ぶ。

 XRの分野では、ホログラフィー・ホログラムを呼称する製品やサービスが多いが、実際にはホログラムではなく、3D画像・映像をVR/ARヘッドセットや透過ディスプレイ(透明ディスプレイ)で表示するものであることがほとんどである。

ホログラム

 Hologram。ホログラフィーによって記録された画像のことで、立体的な像として再生できるのが特徴。

HoloLens / HoloLens 2

 米マイクロソフトが開発したMRヘッドセット。初代HoloLensは2016年3月発売、後継機のHoloLens 2は2019年6月に発売された。

 どちらもケーブル接続不要のスタンドアロン型で、光学シースルー方式のディスプレイを搭載している。OSはWindows10(HoloLens 2はのちにWindows 11にアップデート)。(読み:ほろれんず/ほろれんずつー)