今週のXRニュース 2023年8月第5週 【8/27~9/2】

 XR(VR/AR/MR)関連ニュースを自前のブログにストックしていく試み(4月第1週より継続中)。元ネタは英語記事が多めです。日々ライブ更新していくので、週の前半はあまりネタがなく、後半になるほど増えていきます。

【最新号はこちら】 2024年5月第2週

2023年8月第5週のXR関連ニュース

【ゲーム】 「Gorilla Tag」のAnother Axiom、次回作「Project A2」を初公開

 人気VRゲーム「Gorilla Tag」を手がけるAnother Axiomが次回作「Project A2」を公開。先月、惜しまれつつサービス終了したVRゲーム「Echo VR」の精神的後継作のような雰囲気を持つタイトルです(Another Axiomには「Echo VR」の開発元、Ready at Dawnに勤めていたスタッフもいる)。

 一方で単なるEcho VRの後追いではなく、ユーザーがそれぞれのスペースを持ち、お互いに行き来もできる仕様も盛り込まれるようで、ちょっとした“メタバース”要素もあります。リリースは「早くて2024年後半」とのことなので、気長に待ちたいと思います。【Road to VR、2023/9/1】

【ハードウェア】 Lenovo、スマートグラス「Legion Glasses」を発表

 かねてより噂のあったLenovoの携帯ゲーム機「Legion Go」と合わせて登場。10月発売予定、329ドル。日本でも発売されるかは不明です。

 このLegion Glasses、全くの新製品ではなく、2022年9月に発表された「Lenovo Glasses T1」をリブランドしたもの。スペックもLenovo Glasses T1から変更された気配はありません。 【IGN、2023/9/1】

【ソリューション】 サニーサイドエックス、バーチャルプロダクションスタジオ「XR STUDIO」をオープン

 サニーサイドアップグループの公式リリースはこちら

 サニーサイドエックス(旧サニーサイドアップパートナーズ)は、国内PR企業大手サニーサイドアップのグループ会社。今回設立した「XR STUDIO」はXR技術を活用したバーチャルプロダクションスタジオですが、顧客ターゲットを意識してか、スタジオのスペックについてはあまり深く触れていません。もし実際にスタジオを利用する機会がある場合は、そのへんもチェックする必要がありそうです。 【PR Times、2023/9/1】

【ハードウェア】 MRヘッドセット「Magic Leap 1」、2025年に機能停止

 Magic Leap 1のユーザー宛に送られたメールで明らかに。メールによると製品サポートは2024年12月31日で終了、OSのアップデートも今後はコア機能に関わるものに限られるとのことです。 【UploadVR、2023/8/31】

(2023/9/4追記)全体向けの公式アナウンスも8月末に出ていました。日本語アナウンスはこちら

【ソリューション】 英バーミンガム・ロイヤル・バレエ団、XRコンテンツ「Virtual Stage」を発表

 英国の5大バレエ団のひとつであるバーミンガム・ロイヤル・バレエ団が、XRコンテンツ「Virtual Stage」のリリースを発表しました。同バレエ団のパフォーマンスを、AR/VR、3Dマッピング、モーションキャプチャなどの技術を活用してAR/VRコンテンツ化するというプロジェクトです。コンテンツの詳細解説はこちら

 このVirtual Stageは最新XR技術の活用により、新規ファンの獲得だけでなく、神経障がい者・老人・子供など、劇場に足を運ぶのが困難な人たちにもバレエを楽しんでもらいたいという思いもあるとのこと(The Guardianの記事)。

 なお、コンテンツの制作には英国のXR企業RiVRのほか、日本のキヤノンも携わっています。 【バーミンガム・ロイヤル・バレエ団、2023/8/30】

【ソフトウェア】 Ready Player Me、アバター開発を効率化するコパイロットAIを発表

 クロスプラットフォームのアバタープラットフォーム「Ready Player Me」が、GPT-4とOpenCopilotをベースにしたAI駆動のコパイロットツールを発表しました。Ready Player Meのアバターシステムを他のアプリ等に実装するのをサポート・効率化する、主に開発者向けのツールとなっています。

 なお、Ready Player Meは他にも、アバターの衣服をAIで生成するツールをユーザー向けにテスト提供しています。 【Ready Player Me、2023/8/30】

【ソフトウェア】 8th Wall、WebARプラットフォームにジェネレーティブAIツールを導入

 8th WallのWebARプラットフォーム「8th Wall」に、新たに2つのジェネレーティブAIモジュールを統合。 AIアバターのInworld、およびOpenAI製品(DALL-E、ChatGPT)との連携がしやすくなります。

 2つのモジュールと合わせ、Inworld/OpenAIを活用したARコンテンツを作成するためのサンプルプロジェクトも用意。ARコンテンツ開発コストの低減に貢献します。 【8th Wall、2023/8/30】

【ソリューション】 VarjoのMRヘッドセット、米陸軍の軍事訓練プロジェクトに採択

 Varjoの公式リリースはこちら

 アパッチ/チヌーク/ブラックホークといった、ヘリコプターのMR航空訓練用にVarjoのヘッドセットを使用。Varjoが提供するのはVarjo XR-3 Focal Editionで、同プロジェクト用にカスタマイズされた特別仕様で、契約額は数百万ドル規模とも報じられています。

 米陸軍といえばマイクロソフトも軍事用HoloLens(IVAS)を納品していますが、訓練用と実戦用、かつ使用目的も違うので棲み分けはできている、という感じでしょうか。 【Road to VR、2023/8/29】

【ソフトウェア】 Meta Quest、次期ソフトウェアアップデートでアバターに脚を実装か

 Meta QuestのOSの次バージョン(v57)に関して、開発者向けの公開テストチャンネル(PTC)にあるベータ版ではアバターに脚があることが報告されています。 ただしユーザーの脚をトラッキングしているわけではなく、人体の姿勢推定でシミュレーション表示しているようです(表示バグの報告もあり)。

 また、v57に含まれる可能性のある新要素として、「Horizon Worlds」を起動するポータルなども見つかっています。今度こそ日本でもHorizon Worldsがプレイできるようになるとよいのですが。 【Mixed、2023/8/29】

【資金調達】 Holoeyes、約4億円の資金調達を実施

 Holoeyesは「Holoeyes MD」「Holoeyes VS」「Holoeyes Edu」など、VRを活用した医療ソリューションを開発・提供する企業。今回の資金調達はシリーズBエクステンションラウンドとして実施されました。 【PR Times、2023/8/29】

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